『よいこと、悪いことは半分ずつ』
どんなことにもよい面と悪い面があるものですが、わたしたちはついつい、よい面だけを見て人をうらやんでしまうことがあります。例えば結婚。あるとき、一人暮らしのおばあさんがこんなことを言っていました。
「おじいさんが死んでもう10年。友だちからは『気楽でいいね』と言われるけれど、おじいさんが生きていて不自由な方がよほどよかった。」
結婚生活で相手に不満をいだいたり、介護で苦労している人たちからは、独り身がうらやましく見えるだろうし、わたしも昔はそう思っていたけれど、いざ独りになってみればさびしさが身にしみる。独り身をうらやましがる人は、そのことが分かっていないというのです。結婚している人には独身の人のさびしさが見えず、独身の人には結婚の不自由さが見えなくなるということかもしれません。
結婚だけではありません。例えば地位。高い地位をうらやむ人には、その地位にともなう責任の重さが見えていません。例えば財産。財産があることをうらやむ人には、財産がどれだけひどい争いを引き起こすかが見えていません。例えば名声。有名人をうらやむ人は、有名人がその名声に恥じない生き方をするためにどれだけ苦労しなければならないかが見えていません。見えないだけで、よいことには必ず悪いことがついている。そう思えば、人をうらやましいと思う気持ちは消えるに違いありません。逆に、自分にとって悪いと思えることにも、きっと何かいい面があるはずです。人をうらやまず、自分に与えられたよいことを見つけ、前向きに生きてゆきたいと思います。
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