祈りの小箱(210)『天国と地獄』


『天国と地獄』
 「愛とゆるしを説くキリスト教にも、地獄があるのですか」と尋ねられることがあります。残念ながら、キリスト教にも地獄はあります。ですが、幸いなことに、神様は自分の罪を悔いて救いを願う人を地獄に落すことがありません。「神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである」(ヨハネ3:17)とはっきり書いてある通り、イエス・キリストは、わたしたちを裁いて地獄に落すためではなく、救って天国に導くためにやって来られたのです。地獄に落ちる人がもしいるとすれば、それはイエスがわたしたちに教えて下さった神様の愛を、自分から拒む人たちです。地獄に落ちる人は、神様によって地獄に落されるというより、自分から進んで地獄に落ちて行くのです。
 「自分から地獄に落ちたがる人なんかいるのか」と思うかもしれませんが、そういう人は確かにいます。「自分が絶対に正しい」と言い張って、神様の言うことを聞かない人。「嫌いな相手は絶対にゆるさない」と言い張って、兄弟姉妹との和解を拒む人。「人のことなんかどうでもいい。自分さえ幸せになれればいい」と思っている人。そのような人たちにとって、神様の下ですべての人と幸せに暮らす天国は、耐えがたい場所でしょう。そのような人たちにとっては、天国の方が、むしろ「地獄」なのです。そのような人たちが、天国に入るのを拒んで集まる場所が地獄。そう考えたら分かりやすいでしょう。
 「自分が絶対に正しい」、「嫌いな相手はゆるさない」、「自分さえ幸せになれればいい」、そんな思いが生まれるとき、わたしたちの心に地獄への門が開きます。生きながら地獄の苦しみを味わうか、神様の愛を受け入れて天国の喜びを生きるのか、それを決めるのはわたしたち自身なのです。
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