祈りの小箱(214)『何よりの償い』


『何よりの償い』
 「わたしは、あの人のために何もしてあげることができませんでした。申し訳なくて仕方がありません。」最愛の家族を亡くした方から、そんな言葉を聞くことがあります。家族のために十分なことがしてあげられなかったと、自分を責めておられるのです。そんな風に考える必要はまったくない、とわたしは思います。なぜなら、亡くなった方は、家族が自分のために苦しむことなどまったく望んでおられないからです。
 亡くなった方は、天国から永遠の眼差しで地上のすべてを見渡しておられます。なぜ、そのときわたしたちが十分に家族に関わることができなかったのか、その理由もすべて知っておられるのです。さまざまな事情からそうせざるを得なかったわたしたちの苦しみさえも知った故人は、わたしたちのしたことをゆるし、わたしたちのために涙を流しさえしているかもしれないのです。
 わたしたちがいつまでも自分を責め、不幸な顔で生きていれば、故人はますます悲しむに違いありません。何よりの償いは、わたしたちの幸せな姿を見せて、天国のその方を喜ばせてあげることです。ゆるしていただいたことに感謝し、これからは二度とその方を悲しませるようなことはしないと、心に固く誓いましょう。
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