祈りの小箱(222)『真に偉大な人』


『真に偉大な人』
 権力を手に入れたり、周りの人たちから誉められたり、大金を手に入れたりすると、なんだか自分が偉くなったような気分になります。何かを持っていることによって、自分の価値が上がったような錯覚が生まれてくるのです。その錯覚がさらに進むと、「自分は周りの連中よりも偉い。他の連中は何も分かっていない」というような大変な思い違いが生まれてきます。このような思い違いに陥った人は、次第に周りの人たちから疎まれるようになります。たくさんのものを手に入れたばかりに、人間にとって一番大切なもの、人と人との間に結ばれる愛の絆を失ってしまうのです。
 大切なのは、どんなにたくさんのものを手に入れたとしても、それで人間の価値が変わるものではないと知っていることだと思います。どんなに権力を手に入れても、どんなに誉められても、どんなにお金を持っていても、誰も病気の間の手から逃げられる人はいないし、死を免れる人もいないのです。どんなにたくさんのものを手に入れたとしても、明日には重い病を宣告されるかもしれないし、大災害に巻き込まれるかもしれないのです。どんなに偉くなったとしても、わたしたちは弱くて不完全な、一人の人間に過ぎません。そのことを知っていて、どんなに偉くなったとしても、たった一人の人さえ見下すことがない人。そんな人こそ、真に偉大な人なのではないでしょうか。
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