【曹洞宗研修会】


曹洞宗研修会
 ぶっちゃけ寺』からのご縁で、曹洞宗関東管区教化センター主催の若手僧侶のための研修会でお話しさせていただきました。ISの台頭などによって宗教についてのネガティブなイメージが広がる中で、もう一度諸宗教のことを知り、対話を通して平和への道を模索しようということで企画された今回の研修会。キリスト教イスラム教、仏教のそれぞれから講師が招かれた中で、わたしはキリスト教についての講義を担当させていただきました。
 諸宗教の対話ということはよく言われますが、わたしが知っている限り、カトリック教会で神父が集まってお坊さんやイスラム教の指導者から話を聞くという機会はほとんどありません。今回、僧侶の皆さんがあえて他宗教の教えを学びたいと考えられた謙遜な姿勢に、まず頭が下がりました。講義中も、皆さん肯いたり首を傾げたりしながら一生懸命にノートを取って下さり、学びの姿勢が本物であることを実感しました。長めにとった質疑応答の時間でも「四福音書のそれぞれの特徴は?」「自分を愛するとはどういうことか?」「韓国と比べ、日本でキリスト教徒の数が増えないのはなぜか?」「キリスト教の葬儀では何をするのか?」など鋭い質問が次々に飛び出し、まさに「宗教間対話」という感じ。90分ずつ2回の講義でしたが、あっと言う間に時間が過ぎてしまいました。講義が終わったあと、お坊さんの一人が「キリスト教を学んだことで、仏教のことがよく分かりました」と言って下さったのがうれしかったです。わたし自身も、お坊さんたちとの出会いの中で、キリスト教についてたくさんのことを学ぶことができました。
 マザー・テレサはよく「ヒンドゥー教徒がもっとよいヒンドゥー教徒になれるように、イスラム教徒がもっとよいイスラム教徒になれるように、仏教徒がもっとよい仏教徒になれるように、まずあなたたちがもっとよいキリスト教徒になりなさい」と言っていました。これからも、互いに切磋琢磨しながら、人類の幸福、世界の平和という共通の目的に向かって進んでゆくことができればと思います。