祈りの小箱(59)『契約の虹』(創世記9)


『契約の虹』(創世記9)
 夏の疲れが出たのか体も心もずっしりと重かったある日の夕方、ミサに行こうと外に出てびっくり仰天。教会の東の空に、天高くそそり立つような大きな虹が出ているではありませんか。あまりの見事さに立ちどまり、ぽかんと口をあけて眺めてしまいました。眺めているうちにふと、この虹は疲れきっているわたしを励ますために神さまが見せて下さったものではないかという気がしてきました。天国から神さまが「だいじょうぶ、がんばれよ」と言って下さっているような気がしたのです。また我に返って歩き始めたときには、あんなに重かった足がすっかり軽くなったような気がしました。
 疲れているとき、わたしたちはつい顔を下に向け、「もうやってられないよ」とか「どうせわたしなんか」と内向きのネガティブな考えに閉じこもってしまいがちです。ですがそんなとき、神さまは天国からわたしたちを見て、何とか励ましたいとやきもきしています。そして、いよいよというときには、虹や雲、美しい花々や草木など、大自然のはっきりとしたしるしを送って励まして下さるのです。
 神さまがノアに契約のしるしとして虹を見せたのは、疲れや苦しみに呑みこまれて神さまのことを忘れ、自分の心の中に閉じこもってしまいがちなわたしたち人間の弱さを神さまが知っておられるからに違いありません。仮にしるしがなかったとしても、神さまの心はただ一つ、わたしたちをなんとか励ましたい、神さまの愛を思い出させたいということだけです。神さまは、どんなときでもわたしたちを愛して下さっているのです。疲れたとき、苦しいときには、自分の中に閉じこもらず、空を見上げて神さまのことを思い出すようにしたいと思います。
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