やぎぃの日記(41) パエリアの会


 ゴールデンウィーク最終日の今日、本当は若者たち10数人と一緒に摩耶山に登る予定だった。ところが昨日の晩、明日は降水確率90%、しかも強い雨が午前中に降るという天気予報が出た。山登りの計画は残念ながら中止せざるをえないようだった。だが、せっかくこの日を楽しみにしていたみんなをがっかりさせるのもかわいそうだし、何かいいアイディアはないものだろうか。そう考えていたとき、一つのひらめきがあった。
 そもそも今回の山登りの一つの目玉は、マシア神父がみんなのために焼いてきてくれるスパニッシュオムレツだった。ならば、みんなで集まってマシア神父と一緒にスパニッシュオムレツを作って食べたら楽しいだろう。せっかく大きな台所があるのだから、一緒にパエリアも作ったらもっといい。マシア神父の作るパエリアを若者たちだけで独占するのはもったいないから、日ごろお世話になっている評議会の皆さんや事務所の職員さんたちも呼ぼう。この思いつきをマシア神父さんに話したところ、即座に「よし、やりましょう」と言って下さった。
 こうして実現したのが、今日の「パエリアの会」だった。同じ教会に属していながら普段あまり出会うことのない40人ほどの老若男女が、一緒に作ったオムレツやパエリアを食べながら語り合うとても楽しいひと時になった。より深い出会いの場になるよう1人1人に自己紹介をしてもらったが、それを聞きながらあらためて六甲教会の懐の深さを感じた。これほど豊かな個性と才能を持った人たちがこんなにたくさん集まっている教会は、それほど多くないだろう。会の最後には、もとオーケストラ団員の青年によるチェロ演奏という思いがけないプレゼントもあった。
 これはあくまで結果としてだが、山登りよりも多くの恵みがあったかもしれないとさえ思えるすばらしい会だった。人と人とをつなぎ、教会を作り上げていくという司祭としての役割を幾分かでも果たすことができたように思う。今日はたまたまわたしの誕生日だったのでプレゼントをくれる人もいたが、何よりもこの会自体が神様からの最高のプレゼントだった。







※1枚目、パエリアを作っているマシア神父。2枚目、マシア神父を囲んでの料理風景。3枚目、出来上がったパエリア。4枚目、パーティーでの1コマ。