フォト・エッセイ(121) 水郷めぐり①


 木曜日、近江八幡の水郷めぐりに行ってきた。近江八幡には琵琶湖の内湖である「西の湖」(さいのこ)があり、その周辺に日本でも有数の大きなヨシ原が広がっている。水郷めぐりというのは、ヨシ原のあいだを縫うようにして流れる水路を和舟でめぐる観光のことだ。「西の湖」の間近にそびえる安土山に城を構えた織田信長が行った舟遊びに由来していると聞いた。
 昨年の秋、彦根方面に紅葉の写真を撮りに行ったときにも近江八幡に立ち寄ったが、そのときはもう水郷めぐりのシーズンが終わっていた。水郷めぐりは、高く伸びたヨシが水辺を埋め尽くす4月から7月くらいが一番いい時期らしい。
 今回は、JR近江八幡駅の前でレンタサイクルを借りることにした。「ヨシ笛ロード」という自転車道が琵琶湖の湖岸や水郷地帯の間を走っていると聞いたので、そこを回りながら途中2か所の船着場で水郷めぐりの舟に乗ろうと思ったのだ。
 田植えから1か月ほどが過ぎ、30㎝くらいに伸びた水稲が風にそよぐ田んぼのあいだにまっすぐ伸びた道を気持ちよくを走っていくと、1時間ほどで琵琶湖の水辺に出た。長命寺という寺院にほど近いところにある船着場まで行き、そこから最初の水郷めぐりに出発した。







※写真の解説…水郷めぐりの舟から見た風景。