祈りの小箱(10)マザー・テレサ『心の隙間』


マザー・テレサ『心の隙間』
 先日、マザー・テレサの言葉資料を読み返していて、一つの言葉が胸に突き刺さりました。「いつも神の御旨とぴったり一致していなさい。神とのあいだにわずかでも隙間ができると、そこにあらゆる悪い思いが入り込みます」というのです。読んだ瞬間、わたしは「これこそ、今の自分に一番必要な言葉だ」と直感しました。
 神との間にわずかな隙間ができたとき、そこに入り込む悪い思い。それは、例えば怒りや憎しみでしょう。心が神とぴったり一致して喜びで満たれさているときは何でもない一言が、神との間に隙間ができて心がすさんでいるときは心にぐさりと突き刺さる。そんなことがよくあります。
 心が愛の喜びで満たされているとき、わたしたちは「何であんなことを言うのだろう。何か嫌なことでもあったのだろうか」と相手を心配することさえできます。しかし、神との間に隙間があるとき、わたしたちはその心無い一言を放った相手に対して腹を立て、憎しみさえ抱くようになるのです。
 そう考えれば、わたしたちが本当に腹を立てるべき相手が誰かはすぐに分かるでしょう。わたしたちが腹を立てるべき相手は、その言葉を放った相手ではなく、神と一致して生きることができない自分自身なのです。そのことに気づき、謙遜な心で神に助けを願うとき、きっとわたしたちの心に再び喜びが戻って来るでしょう。
 神との間に隙間ができたときわたしたちの心に入り込んでくる悪い思いは、他にもたくさんあります。例えば物欲。わたしたちは、心が満たされていないとき、その隙間を満たそうとして物をたくさん買い込んだりしがちです。あるいは傲慢もそうです。神との間に隙間があるとき、わたしたちは自分の判断を絶対に正しいと思い込んで人を裁いてしまうのです。
 このように思い巡らせば巡らすほど、この言葉は今のわたしにとって一番必要な言葉だと思わざるを得ません。2013年は、この言葉と共に一年を歩みたいと思います。
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