やぎぃの日記(83)『家庭の友』8月号企画・アグネス対談


 昨日は、わたしの人生の歩みの中で特別な日として覚えておくべき日だったと思う。それは他でもない、アグネス・チャンさんとマザー・テレサのことについて語り合うことができた日だったからだ。
 そもそもこの対面は『家庭の友』の編集部から突然、原稿の依頼が来たことに端を発している。マザー・テレサ生誕100年特集の記事をどう組んでいくか話しあううちに、アグネスさんとの対談という企画が出された。
 初め、わたしはたぶんこの企画は実現しないだろうと思っていた。なぜなら、アグネスさんは子どものころからよくテレビで見ている大スターだし、わたしはほとんど無名の新米司祭に過ぎないからだ。きっと向こうが受けてくれないだろうと思ったのだ。ところが、アグネスさんは受けてくださった。
 対談が正式に決定した時、その知らせを聞いて一番驚き、また喜んだのは母だった。なにしろ、埼玉の田舎で泥にまみれて育ったできの悪い息子が、日本で最も有名な大スターの1人と対談するというのだ。驚かない方がどうかしている。わたし自身、到底信じられない思いだった。
 ともかく、対談は昨日の夕方、東京のあるところで実現した。対談が始まったとき、正直言ってわたしは緊張で全身が硬直し、目の前で何が起こっているのか分からなくなってしまった。まるでテレビ画面に映っているアグネスさんに向かって話しかけたら、テレビ画面から答えが返ってきたような気分だった。それでもまあ、30分くらい話してるうちにだんだん緊張が解けてきた。「ああこの人も、喜びも悲しみもたくさん抱えた普通の人なんだ」と思えるようになってきたからだ。そこからはいつも信者さんと面談するときのように、「どうしたらこの人の魂に神様の愛を届けられるだろうか」ということだけを考えて話すことができた。
 マネージャーさんの合図で1時間半の対談が終わるころには、まるで昔からの友だちと話しているような感じがした。誰とでも分け隔てなく話すアグネスさんの人柄のせいだろう。対談を通して感じたのは、彼女は彼女に与えられたやり方で、歌や講演などを通して神様の愛を人々の心に届けようと全力でがんばっているということだ。過分にも「お互いにがんばりましょう」と言ってくださったアグネスさんの言葉を胸に刻み、わたしも司祭としてがんばりたい。この対談を実現させてくれた天国のマザーに感謝。
★この日の対談の内容は、7月10日発売の『家庭の友 8月号』(サン・パウロ刊)で特集されます。どうぞご覧ください。
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