フォト・ライブラリー(350)「神の愛の宣教者会」山谷修道院再訪

「神の愛の宣教者会」山谷修道院再訪

司祭の叙階を受けてから4年半、ずっと望んでいながらなかなかタイミングが合わなかった「神の愛の宣教者会」山谷修道院でのミサがついに実現しました。当日の様子を、写真でご紹介したいと思います。まずは、南千住の駅を降りて修道院に行く途中の泪橋交差点の様子から。スカイツリーが背景に加わったせいもあり、ずいぶん垢抜けた感じがします。かつてこの辺りには東京で最大のスラム街がありました。『あしたのジョー』の丹下ジムがあったのは、泪橋の下です。

これが「神の愛の宣教者会」山谷修道院マザー・テレサのブラザーたちが、今から50年前に始めた修道院です。10年ほど前に建て替えられた現在の建物は、聖イグナチオ教会カトリック神戸中央教会などと同じ、建築家・村上晶子氏の設計によるものです。

ついに実現したミサの様子です。毎週土曜日に行われている炊き出しのボランティアの皆さんが参加してくださいました。ボランティアの中には、今から約20年前、私がイエズス会に入る前にボランティアをしていた頃からずっと来ておられるかたも何人かいました。

ミサがおわって、ブラザーたちとの記念撮影。インド人のノアスさんとジョジョさんは、20年前にも東京にいました。その後、シンガポールや韓国などを周って、数年前に東京に戻ってきたとのこと。お互いに「しばらく見ないあいだに、髪がずいぶん白くなったね」と言い合いました。

ミサの後、自転車で近隣の路上生活者の方々にカレーライスとホッカイロを配って歩きました。吹きすさぶ北風の中、靴下もはかずに道端で生活しているおじさん。陽だまりで猫と日向ぼっこをしているおばあさん。段ボール箱を何重にも重ねた家で寒さを避けているおじいさん。どの顔にも、生活の厳しさからか深いしわが刻みこまれていました。彼らの苦しみを、聖霊が優しく包み込み、癒してくださるようにと祈らずにいられませんでした。

この辺りの景色で一番大きな変化は、高さ634mの東京スカイツリーが出来たことでしょう。「神の愛の宣教者会」山谷修道院からスカイツリーまでは、歩いても30分ほどの距離。ブラザーたちは「うちのタワー」と呼んでいました。修道院の屋上からは、隅田川の花火とスカイツリーがちょうど重なって見えるそうです。

浅草駅前、吾妻橋から見たアサヒビールの本社と東京スカイツリー。まるで計算して建てたかのように見事な組み合わせです。

神戸でのミサの関係上、「神の愛の宣教者会」山谷修道院でミサが行われる土曜日に東京にいることはあまりないのですが、また機会を見つけて訪ねようと固く決意しました。なんと言っても、山谷はわたしの召命の一つの原点。いつまでも大切にしたいと思います。