フォト・ライブラリー(457)広島原爆忌2014

広島原爆忌2014

 今年も、広島に8月6日がやって来ました。カトリック広島教区の教会に派遣されて最初の原爆忌、信者さんたちと一緒に広島教区の平和記念行事に参加してきました。

 台風の影響でこの数日、雨が続いている広島。まずは平和記念公園の慰霊碑にお参りです。「過ちは繰り返しませぬから」という誓いの言葉が、今年は特に重く響きます。

 8月5日、幟町の世界平和記念聖堂で、広島教区の平和記念行事が行われました。まずは、大阪教区の松浦悟郎司教による平和についての講話から。とても具体的で、考えさせられるお話でした。

 続いて5つの分科会が行われました。私は、福島県南相馬市にあるカトリック原町ベースのベース長、Sr.畠中ちあきによる「福島の現状報告」に参加。本当に安全なのか誰も分からない中で、復興を進めなければならないジレンマを感じました。わたしも、9月には原町に行こうと思っています。

 世界平和記念聖堂での学習会のあと、平和記念公園へ移動。平和記念公園の慰霊碑前から、世界平和記念聖堂まで平和行進をしました。

 『ウォーク・イン・ザ・ライト』や『アーメン・アレルヤ』を大きな声で歌いながら、広島で最も人通りが多い「本通り」を歩いてゆきます。隣国への憎しみを煽り立てる声も鳴り響く街頭に、兄弟愛の讃歌が高らかに響きます。

 平和行進の終了後、世界平和記念聖堂でカトリック教会、日本聖公会合同の平和祈願ミサが行われました。カトリックからは広島教区長の前田司教を始め、長崎教区長の郄見大司教、大阪教区長の池長大司教など12名の司教が参加。日本聖公会からは、神戸教区と九州教区の主教様方が参加されました。

 雨に煙る8月6日、朝の広島。相生橋から見た太田川です。原爆投下直後は、水を求めて飛び込んだ人々の死体でこの川面が埋め尽くされたと言います。心から祈らずにいられません。

 朝6時15分から、慰霊碑前で諸宗教による慰霊祭が行われました。神道の神主さんたちは祝詞で、キリスト教の神父や牧師さんたちは讃美歌で、仏教のお坊さんたちは読経で、それぞれに原爆犠牲者のために祈りました。

8時15分、広島中の教会やお寺の鐘が鳴り響く中、世界平和記念聖堂でも追悼ミサが行われました。原爆の炎に焼かれて死んでいった人々の無念をしっかりと心に刻み、不戦の誓いを新たにしました。

 ミサが終わったあと、日本中から集まった若者たちが平和学習に出発してゆきました。2度と愚かな戦争が繰り返されることのないように、しっかり広島を目に焼き付けてほしいと思います。彼らの未来のためにも、心から祈らずにいられません。