やぎぃの日記(134)被災地への寄付金贈呈


被災地への寄付金贈呈
 2月26日の晩、カトリック神戸中央教会で、神戸の超教派クリスチャン青年たちが被災地で心の支援活動を続ける「パストラルケアセンター・ハグハウス」代表の堤澄子さんに、総額38万円の寄付金を贈呈した。寄付金は、昨年11月に行われた「被災地に届け、心の歌声〜テゼの祈りを神戸から」と同じく昨年12月に行われた第53回神戸市民クリスマスの会場で集められたもの。
 贈呈式はまず、現地の活動報告から始まった。南三陸町に開設された「ケアカフェ心香(ここ)」での活動の様子を堤さんが写真を交えながら報告すると、日本基督教団神戸教会、神戸栄光教会、日本聖公会聖ミカエル教会、カトリック神戸中央教会、鈴蘭台教会、六甲教会などから集まった15人の若者たちがその報告に熱心に耳を傾けた。
 堤さんは御主人の宇根さんと一緒に、神戸で長年にわたって阪神淡路大震災で心に痛手を受けた方々のケアに当たってきた。震災から16年が過ぎてその活動が一つの節目を迎えようとしている矢先に、東日本大震災が発生。二人は取るものもとりあえず被災地に駆けつけ、神戸での長年の経験を生かした心のケアの活動を開始した。現在、堤さんは南三陸町で、宇根さんは釜石市で、それぞれ「心のケアカフェ」と名付けられた喫茶コーナーを運営している。「心のケアカフェ」には、毎日、近隣に住む被災者の皆さんがふらりと訪れては世間話をしたり愚痴をこぼしたりしていく。それだけでも、仮設住宅で孤独な生活を送っている人々にとっては心の癒しになるようだ。中には、堤さんと長い時間話しこんでゆく人もいるという。
 震災から1年が過ぎて、いま堤さんが考えているのは、被災地の自立のことだという。全国からの支援物資に頼る生活をいつまでも続けるわけにはいかない。何とか地域の経済を復興して、自分達の足で歩ける態勢を作っていかなければならない時期が来ているのだ。これからは、そのお手伝いもしたいと堤さんは語っておられた。そのためにも、たくさんの若者たちに現地に来て、現地の人々と共に歩んでほしいとのことだった。
 報告会、贈呈式に続いて、鍋を囲んでの懇親会が行われた。おいしい野菜や肉をつつきながらも、話題の中心は「どうやって神戸から東北への支援を続けるか」ということだった。かつての被災地、神戸には、東北を支援したいという思いも、そのためのノウハウもたくさんある。しかし、両者の間にある数百キロの距離がそれを邪魔している。わたしたちが行くだけでなく、気晴らしも兼ねて東北の若者たちに神戸に来てもらうというのも一つのアイディアかもしれない。教派の壁を越えて力と知恵を集めながら、これからも神戸と被災地の間に絆を結んでいきたいと思う。
※写真の解説…寄付金贈呈式の様子。中央で封筒を持っているのが堤さん、宇根さん御夫婦。