フォト・レポート(104)被災地はいま1〜大槌町・津波の爪痕

被災地はいま1〜大槌町津波の爪痕

3月27日から31日まで、カトリック六甲教会の信徒・司祭合わせて11人のチームが、大阪教会管区大船渡ベースを拠点として被災地でのボランティア活動を行いました。その際に撮影した写真から、被災地の今をお伝えしようと思います。まずは町長以下、町民の約1割が津波の犠牲となった大槌町の市街地の写真です。この光景を見た参加者の一人は「まるで、原爆のあとの広島のようだ」とつぶやきました。

廃墟のあちこちで、死者たちに花が手向けられていました。その花を見る度ごとに、立ち止まって死者とそのご遺族のために祈らずにいられませんでした。

奥に見えているのは、町長以下数十人が津波の犠牲になった大槌町役場です。ボランティアに参加した高校生たちは、あまりに凄惨な光景に絶句し、その場に立ち尽くしていました。

原型をまったくとどめないまでに押しつぶされ、破壊された車があちこちに積み上げられていました。津波の力のすさまじさを、無言のうちに物語っています。

もし誰かが乗っていたとすれば、一体どうなってしまったのでしょう。いくつかの車の車体には、赤いペンキで丸印や数字が記入されていました。そこから遺体が発見されたという印だそうです。

津浪に流されずに残った数少ない建物の一つが、現在、長崎教会管区大槌ベースとして利用されています。津浪は、この建物の3階まで到達しました。辺りには人が住んでいないため、ここを拠点として仮設住宅や漁港などに出かけているそうです。