被災地はいま2〜大槌町・復興への歩み
大槌ベースが支援活動をしている山間の仮設住宅を訪ねました。辺りは本当に山と田んぼしかありませんが、そこを拠点として、津波で家を失った方々が新しい生活に向って力強い歩みを始めておられました。
仮設住宅の周り、歩いて行ける範囲には商店が一軒もありません。その代わり、毎日、賑やかな音楽と共に移動販売車が来てくれます。トラックの荷台に商品で一杯の棚が並べられていて、中に入って買い物することができます。
仮設住宅の集会室では、大槌ベースによる「お茶っこサロンが」が毎日行われています。お茶を飲むことを、東北の方言では「お茶っこする」と言うことから「お茶っこサロン」。地域の人々同士の、またボランティアたちと地域の人々の間に、お茶を飲みながらの会話が弾んでいました。
高校生のボランティアたちに、仮設で暮らしているお婆さんが津波の様子を一生懸命に話してくれました。話すことで気持ちの整理がつく場合もあるようです。昼間、働ける家族はみな仮設から近隣に働きに出ているため、話し相手を求めているお年寄りも多いとのことでした。
津波で破壊された廃墟の一角で、仮設の食堂が営業していました。その名も「おらが大槌・復興食堂」。生活の気配がまったく感じられない廃墟にあって、ここだけは人間の生きる力が溢れていました。
海鮮丼やカレー、ラーメンなどメニューも豊富です。わたしは名前にひかれて「がっつら丼」と呼ばれる豚丼を注文しました。「がっつら」というのはこの地方の方言で「がっつり」という意味だそうです。ボリューム満点で、味も最高。皆さんもぜひ一度試してみてください。