ベトナム視察旅行2〜メコン・デルタの暮らし-前半
ベトナムに着いて2日目、ベトナムの人たちの生活をもっとよく知るために、メコン・デルタの農村を訪ねました。ホーチミン市から車で2時間あまりで、メコン川沿いの街、ミトーに到着。そこから観光船に乗船しました。
メコン川は中国に源流を発し、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアをへてベトナムから東シナ海に流れ込む国際河川。流域に住む数千万の人々の暮らしを支える、母なる大河です。この水草は、いったいどこから流れてきたのでしょう。
まるで海のように広い川面を、たくさんの船が行き交います。ここから、遠くカンボジアやラオスまで出かけてゆく船もあるそうです。
メコン川に浮かぶ中州にある果樹園に到着。中州と言っても、まるで大きな島のようです。
バナナ畑で、村の子どもたちが出迎えてくれました。わんぱくそうな子どもたちです。
別の畑では、リュウガンが収穫期を迎えていました。木の下にブルーシートを敷き、木を揺さぶって収穫します。
こちらは、たわわに実ったジャックフルーツ。フィリピンでもよく見かけましたが、1本の木にこんなにたくさんの実っているのは初めて見ました。メコン川が運んだ、肥沃な土の賜物でしょう。
かわいらしい村の子どもたち。手前に吊ってあるのは、お昼寝用のハンモックです。ベトナムでは、夜もベッドではなくハンモックで寝る人が多いと聞きました。寝苦しい夜を快適に過ごすための知恵でしょう。
民家の庭先では、お父さんたちがベトナム将棋の「シャンチー」に興じていました。街でも村でも、ベトナムのあちこちで見かける光景です。
アオザイを着た女性が、川べりで刺繍をしていました。このような刺繍は、ベトナムを代表する民芸品の一つです。
果樹園では、養蜂も行われています。リュウガンの小さな白い花から、ミツバチたちが集めてきた蜂蜜。巣から直接スプーンですくい取って味見してみましたが、とても甘くておいしかったです。
果樹園で捕獲されたニシキヘビを首にかける高山神父様。今回の視察旅行を企画した、イエズス会日本管区の会員です。23歳のときにボートでベトナムを脱出、日本に帰化しました。さまざまな試練を乗り越えてきた方だけあって、蛇くらいではちっとも驚きません。
ベトナムの典型的な民家。軒先には、雨水をためるための大きな甕がいくつか並んでいました。
どの家も、庭先にこのような小さな祭壇をしつらえています。自然に宿る精霊や神々を祀るための祭壇だそうです。自然と共に生きる人たちは、人間を超えた大きな力の存在に対する敬意を忘れることがないようです。
どこまでも続く広大な果樹園を進んでゆきます。この日はとても暑かったのですが、川面から吹くさわやかな風のおかげでそれほどには感じませんでした。まさに、メコン川が与えてくれた地上の楽園です。