【熊本地震復興支援from宇部・小野田10〜ひな祭り】

熊本地震復興支援from宇部・小野田10〜ひな祭り

 3月2日と3日の両日、熊本地震の被災者の皆さんを阿蘇YMCAにお招きして『ひな祭り・福を呼ぶフグ鍋パーティー〜福引もあるよ』を開催しました。2日の晩は地元、阿蘇・車帰地区から地区長さんをはじめ50名の皆さんが、3日には益城町・木山仮設団地から40名の皆さんが参加してくださいました。喜びにあふれた集いの様子を、写真でご紹介します。

 今回の主役は、なんと言ってもこのフグ鍋。カトリック宇部・小野田ブロックの熊本支援活動を知ったご近所の魚屋さんが、フグ鍋用のフグ100人前を寄付したいと言ってくださったことが、事の発端でした。信徒の皆さんがそれぞれの畑から持ち寄った野菜と、ご寄付のフグで作られた、愛情いっぱいのフグ鍋です。

 この日のために、宇部・小野田から信徒・司祭合わせて13人が車3台に分乗して熊本入り。阿蘇YMCAの台所をお借りしてフグ鍋を作りました。パーティーが始まってからは具の補給に大わらわ。「おいしい、おいしい」と大好評で、あっという間に鍋が空になってゆきます。

 ひな祭りといえばちらし寿司。阿蘇YMCAのコックさんが、腕によりをかけて作ったちらし寿司も大好評でした。

 平日だったこともあり、仮設住宅から来られた皆さんはご高齢の方がほとんどでした。最高齢は94歳のご婦人。仮設住宅ではテーブルが狭くて、なかなか鍋もできないとのことで、今回の集いをとても喜んでくださいました。中には、2週間も前から「フグ鍋、フグ鍋」と言って楽しみにして下さっていた方も。ご近所同士で集まってゆっくり話す機会もなかなかなかったそうで、フグ鍋がご近所の交流の場にもなったようです。

 この日のために運び込まれたひな飾り。会場の雰囲気を明るく盛り上げてくれました。

 3日のパーティーでは、ご近所の尾ヶ石保育園のお友だちが獅子舞を披露してくれました。見事な獅子ですが、中に入っているのは保育園児です。子どもと保護者の皆さん、先生方で、会場がぐっと若々しくなりました。子どもたちの舞を見て、涙ぐむ方も多かったようです。2日の晩には、ご近所の高齢者の皆さんのバンドが懐メロを演奏してくださいました。フグが発端でしたが、地域を巻き込んでの一大イベントになりました。

 「福引」の景品として準備されたスズメのぬいぐるみ。福を運ぶ「福良雀」で、今回は福尽くしでした。子どもたちだけでなく、ご高齢の皆さんも可愛い、可愛いと大喜びでした。

 宇部・小野田ブロックから、ボランティアとして参加してくださった皆さんと記念撮影。なれない台所でも手際よくフグ鍋を作ってゆく、女性陣の手際のよさに感動しました。

 外輪山から見た阿蘇地方。全体的にまだ白っぽい印象ですが、ところどころ緑が姿を見せ始めています。田んぼでは、震災で割れた地面や壊れた灌漑施設の補修が行われています。

 うっすらと雪化粧した阿蘇山。夏の勇壮な姿とは違った、静かな美しさです。

 11月に仮設住宅での暮らしが始まってから約4ヶ月が過ぎて、皆さんの暮らしにも次々と不便なことが起こってきていると伺いました。周りに何もない畑に、突然建てられた仮設住宅からは、一番近いスーパーまで歩いて30分かかるとのこと。吹く風も強く、隙間風で部屋も温まりにくいそうです。部屋に閉じこもったまま外に出てこなくなる高齢者の方や、一人暮らしの高齢者の方も多く、熊本YMCA職員の巡回とお互いの助け合いで何とかこの冬を乗り切ったとのことでした。一日も早い復興を、心から祈らずにいられません。

 熊本からの帰り道、関門海峡からきれいな夕焼けが見えました。絶妙のタイミングで、まるで神様からのねぎらいの贈り物のようでした。ハードスケジュールでしたが、被災者の皆さんが本当に喜んでくださったので、ボランティアに参加した皆さんも大満足でした。これからも引き続き、わたしたちにできることを探してゆきたいと思います。