フォト・エッセイ(105) 復活登山


 昨日は、主の復活を祝ってマシア神父様や教会の青年たちと山登りをしてきた。お天気は曇りがちでいま一つだったが、芽生え始めたばかりの木々の葉が山道のあちこちでわたしたちを迎えてくれた。山頂付近では山桜も満開だったし、六甲山に自生しているツツジの一種、コバノミツバツツジもところどころ咲き始めていた。ヤマブキの黄色も目に鮮やかだった。リスも姿を見せ、鳥たちも美しい歌声を聞かせてくれた。
 今回は、長峰霊園から杣谷道に入り、杣谷峠、穂高湖、徳川道を経由して森林植物園に下るというルートで歩いた。最終目的地は森林植物園の近くにある温泉「すずらんの湯」だった。途中、穂高湖で休憩したり徳川道と桜谷道が出会うあたりの水辺でお弁当を食べたりしたが、5時間くらいで森林植物園にたどり着くことができた。
 歩きながら、芽吹き始めたばかりの木々の葉の緑が特に印象に残った。冬場の乾いて白っぽかった世界を、彩りに満ちた世界が少しずつ覆い始めたという感じだ。同じ新緑と言っても木の種類によって濃淡があり、山全体が美しい緑のグラデーションを作り始めていた。その中でも一番景色がよさそうな水辺を選んでお弁当を食べた。水はまだ冷たかったが、岩に腰かけて食事をしていても、もう寒くはなかった。
 マシア神父様がわざわざわたしたちのためにスパニッシュ・オムレツを焼いて来てくださったので、みんなでそれを分けた。歩いてお腹が空いていたせいもあるかもしれないが、今回は特別においしかった。食事のあと、岩に寝転んでしばらく昼寝したが、これも最高に気持ちがよかった。マシア神父様も、こんなにのんびりしたのは久しぶりだといって喜んでおられた。
 最後に温泉に入ったとき、幸せはほぼ頂点に達した。復活を祝うにふさわしい、充実した山登りだったと思う。湯から上がって身も心もリラックスした状態で、わたしたちは"EASTER JOINT SERVICE"に参加すべく元町の聖ミカエル教会へと向かった。










※写真の解説…1枚目、新緑の六甲山。杣谷道にて。2枚目、杣谷道にて。3枚目、新緑。徳川道にて。4枚目、モミジの新緑。森林植物園にて。5枚目、渓流に手を浸すマシア神父様。杣谷道にて。