やぎぃの日記(59)佐用町訪問


 今年の8月、わたしたちが教会学校のキャンプに行っているあいだに、神戸のすぐ近くで大変なことが起こった。20人もの死者、行方不明者を出した佐用町の大水害だ。教会行事や年の黙想、カルカッタ訪問等にかまけてこれまで直接支援することができずとても心苦しく思っていたが、ついに昨日、現地を訪れることができた。教会学校で集めた子ども服を届けるためだった。教会学校のリーダー3人と今回の水害に心を痛めている2人の信徒、それにわたしの7名で車2台に分乗して出かけた。
 被災者支援のためのグループ「チーム神戸」の拠点となっているカトリック佐用教会にわたしたちが着いたとき、ちょうど教会に隣接する幼稚園の2階でミサが行われている最中だった。教会の聖堂は、水害の影響でまだ使うことができないそうだ。ミサが終わった後、信者さんたちとお茶を飲みながらお話しすることができた。
 水害の晩、教会のすぐ隣を流れる佐用川が氾濫し、濁流が一帯を飲み込んだそうだ。ここに来るまで知らなかったのだが、教会の向かい側にある家で86歳の女性信徒が水死したという。信者さんたちが口々に、そのときの増水のすさまじさをわたしたちに語ってくださった。どうやら水に大量の泥が混じっていて、それが車や家を押し流すほどの水勢を作りだしたらしい。水が引いた後には、大量の土砂が残った。
 やはり、来てみないと被害のすさまじさは分かりにくいと感じた。次々に新しい事件を知らせる新聞やテレビのニュースを見ているだけでは、いまひとつ実感がわかない。現場に立って被害にあった人々の声に耳を傾けることで、彼らへの共感と、彼らのために何かしなければならないという強い気持ちが生まれる。
 これから冬に向けて、被災地では防寒のための衣類や暖房器具が不足していると聞いた。これまでしてきた募金活動に加えて、それらの物資を集めることにも力を入れていきたいと思う。
カトリック六甲教会では、佐用町の被災者の方々のために冬物の衣類、電気ストーブ、コタツなどの暖房器具を集めています。皆様のご協力をお願いいたします。なお衣類は、受け取る方々のお気持ちに配慮して新品同様のものに限らせていただきます。













※写真の解説…1枚目、「チーム神戸」の拠点となっているカトリック佐用教会。2枚目、教会の向かい側の家。3〜5枚目、久崎地区の被災家屋。6枚目、カトリック佐用教会のマリア像。