もう数カ月も前のことだが、新聞を読んでいたとき「ライブ・イマージュ」が神戸であるという広告を見つけた。CDの「イマージュ」は昔からよく聴いているので、いつだろうなと思って日付を見るとなんと2010年5月6日と書いてあった。わたしの39歳の誕生日だ。そう気づいた瞬間にわたしは、これは神様からの誕生日プレゼントだと勝手に思い込み、早速チケットを予約した。
そのコンサートに先日、行ってきた。大きなスクリーンに美しい木々や小川のせせらぎが次々に映し出される、全体として森をイメージしたステージがセットされていた。ゴンチチから始まって最初の数人の演奏を聴いているうちに、心がだんだん軽くなってゆくのを感じた。「イマージュ」と言えば癒し系音楽の代名詞のようなものだが、CDよりもライブの方がはるかに「癒し」の力が強いようだ。
最後に全員総立ちで盛り上がった葉加瀬太郎の「情熱大陸」もよかったが、わたしが一番感動したのは加古隆の「パリは燃えているか」だった。スクリーンに映し出された第二次大戦の映像を見ながら聴いているうちに涙がこぼれてきた。
ステージに立った人たちは、人の心を揺さぶらずにはいない磨き抜かれた演奏技術の持ち主ばかりだった。あれだけの技術を身につけるために、彼らは一体どれだけ努力したのだろう。心血を注いで磨き上げた演奏だからこそ癒しが生まれるのだろうと、彼らの演奏を聴きながら思った。わたしも歌や所作、説教などをもっと改善し、ミサに磨きをかけていきたいと思う。