マザー・テレサの言葉を読む(22)貧しい人々はいつもそばに

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もしマザーがあなたたちのもとを去るときも、イエスの渇きは決して去ってゆきません。貧しい人々の中で渇いているイエスは、いつもあなたたちのそばにいるのです。
 1993年3月、自らの死期が近づいているのを感じ取ったマザーは、シスターたちに宛てた手紙の中でこう書き記しました。「マザーが帰天してしまったら、自分たちは一体どうなるのだろう」と心配していたシスターたちを安心させるためでした。
 マザーが生きている間、シスターたちはマザーの存在を通して神の愛を感じることができました。わたしにも体験がありますが、マザーのそばにいるだけでわたしたちは本当に神の愛を感じることができたのです。まるで、マザーの笑顔を通してイエスが「わたしはあなたを愛している」とわたしたちに話しかけているようでした。ですから、マザーが帰天することは、シスターたちにとってイエスがどこか遠くに行ってしまうような出来事だったのです。シスターたちが心配したのも無理はありません。
 そんなシスターたちをマザーは、もし自分が去っても「イエスの渇き」は決して去らないから安心しなさいと言って励ましました。もし自分がいなくなっても、孤独や恐れ、不安などの中で苦しむ貧しい人々の中でイエスはあなたたちの愛を求めて渇き続けている、あなたたちを愛し続けている、だから心配することはないというのです。
 マザーが帰天した今、わたしたちがイエスの愛を確信し、マザーと同じように神の愛のために生き続けられるかどうかは、貧しい人々の中にイエスの「渇き」、すなわちわたしたちを求めてやまないイエスの深い愛を感じられるかどうかにかかっています。貧しい人々、苦しんでいる人々との出会いを大切にし、彼らの中で今も「渇く」と叫び続けておられるイエスの声にしっかりと耳を傾けたいものです。