教会報8月号巻頭言「フィリピンへの出発にあたって」


 ★先日発行された、カトリック六甲教会教会報8月号に掲載していただいた記事です。教会での送別会は8/22、フィリピンへの実際の出発は9/3になります。
フィリピンへの出発にあたって
 2008年3月にカトリック六甲教会に着任してから2年半が過ぎ、いよいよ皆さんとお別れするときが迫ってきました。9月からわたしは、イエズス会の第三修練に入ることになっています。
1.第三修練
 第三修練というのはイエズス会の養成の最終段階で、会の精神をもう一度深く勉強しなおし、大黙想という1ヶ月間の祈りのときやさまざまな実習の中でしっかりと身につけるための期間です。世界中の色々な場所で行われていますが、わたしが参加する第三修練はフィリピンのマニラで今年の9月5日に始まり、来年の3月5日に終わります。
 この期間、わたしはマニラにあるアテネオ・デ・マニラ大学というイエズス会の大学の中の共同体で過ごします。そこから、スラム街や農村での実習、大黙想などに出かけていくことになります。
 実習は楽しみなのですが、かつてフィリピンで第三修練をしたある神父さんはヘリコプターで三方が崖、もう一方が海という陸の孤島のような漁村に運ばれたと聞きました。ヘリコプターのパイロットは、彼を下ろすと「じゃあ、1カ月後にまた来るから」と言って飛び去ってしまったそうです。普段生活している世界から完全に離れて、もう一度、福音宣教の使命を見つめなおしなさいということでしょう。皆様のお祈りによる支えが、本当に必要だと思います。
2.ミサを大切に
 六甲教会で学んだことはたくさんありますが、何より一番強く印象に残ったのはミサの大切さということです。本当に真剣に一回一回のミサに与り、真心をこめて祈るみなさんの姿を目の当たりにして、わたしはミサの大切さを強く実感しました。その姿を見るたびにわたしは、「この方々のためにミサを立てるのに必要な恵みをどうぞお与えください」と神様に心から祈らざるを得ませんでした。司祭の最大の使命はミサを立てることにあると、今わたしは確信しています。フィリピンでの第三修練によって、ミサを立てる者としてよりふさわしく変えられていくことを心から願わずにいられません。
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 この他にも学ばせていただいたことはたくさんあり、感謝に限りはありません。未熟な新米司祭のわたしをここまで支え、育てていただき本当にありがとうございました。またいつかお会いできる日を楽しみにしています。
※写真の解説…北海道、美瑛町にて。どこまでも続くまっすぐな道。