マニラ日記(49)バナウェル村のクリスマス会


2010年12月23日(木)バナウェル村のクリスマス会
 ナトニン村から歩いて1時間ほどのところにあるバナウェル村で、一足早いクリスマス・ミサとパーティーがあるというので、パウロ神父の後について行ってきた。アリアワン村と同じで、幅60㎝ほどのコンクリートの道だけがナトニン村とバナウェル村をつないでいる。
 ナトニンから一人のご婦人がわたしたちを村まで案内してくれた。アベさんというご婦人で、何とご主人が元日本兵の孫だという。戦後、日本に戻らずフィリピンに住み着いた兵士たちがいたという話は聞いていたが、ここでその子孫に出会うとは思わなかった。ぜひ一度、ご主人にも会ってみたいものだ。
 バナウェル村の教会は、村を見下ろす小高い丘の上にあった。司祭が到着したという合図の鐘が鳴らされると、村中から人々が教会に集まってきた。教会の隣には大きな天幕が張られ、クリスマス・パーティーの準備も万端に整っているようだった。
 人々が集まるのを待っているあいだに神父さんから聞いた話では、ナトニン地域にこのような小聖堂が14あるという。司祭が日曜日に行ってミサを立てられるのは3ヵ月に1度くらいになるので、それ以外のときは毎週信徒たちだけで礼拝が行われている。洗礼準備や教会学校もすべて信徒だけで行っていて、そのためにコーディネーター、聖体奉仕者、カテキスタが各教会に数人ずついるという。
 小一時間ほどして教会が信徒たちでいっぱいになった頃、ようやくミサが始まった。ミサの中で、1人の高校生が洗礼を受けた。家族は皆カトリックなのだが、どういうわけか彼だけが洗礼を受ける機会を逸したままここまで来てしまったのだという。高校の同級生の男女が代父母についていたが、フィリピンの習慣では洗礼に代父と代母を両方立てるのが一般的らしい。
 ミサの後のパーティーでは、例によってイーグル・ダンスが繰り返し披露された。わたしも真似したいと思ったが、手の動きはなんとかなっても足のステップについていけない。見ているだけで十分に楽しいから、まあ無理をしない方がいいだろう。夕方まで、のんびりと踊りや歌、ゲームを楽しんで、夕方帰ってきた。明日の晩は、いよいよクリスマスだ。
※写真の解説…村を見下ろす小高い丘の上にある、バナウェル村の教会。