バイブル・エッセイ(190)三位一体の交わり


三位一体の交わり
 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。(ヨハネ3:16-18)
 三位一体の主日である今日、神の独り子を信じる者は救われるという言葉が読まれました。神の子イエスを信じる者だけが、父と子と聖霊のあいだにかわされた愛の交わりに招き入れられ、救われるということでしょう。人類の救いは神の愛と一つに結ばれることにありますが、それは別の言葉で言えば三位一体の交わりに加わるということに他ならないのです。
 旧約の時代、神は愛の交わりに人を招こうとしてモーセに契約の板を与え、またたくさんの預言者たちや天使を地上に送りました。しかし、人間はその招きを拒絶し、自分勝手な喜びや楽しみに埋没していきました。神に背いた人間たちは互いに争い、傷つけ、殺しあうまでなっていったのです。
 その様子を見かねた神は、ついに三位一体の交わりへの最後の招きとして、イエス・キリストご自身を地上にお送りになりました。エスと出会うとき、わたしたちは誰でも父なる神の大いなる愛に包まれ、また喜びと力の霊に満たされて三位一体の交わりに溶け込んでいきます。イエスは、三位一体の交わりへの最後の、そして究極の招待状だったのです。エスの御名を信じ、イエスと出会うとき、わたしたちは天上で結ばれた三位一体の愛の交わりに入っていくことができます。
 この交わりは、わたしたちを通して全世界に広がっていきます。わたしたちが互いの中にイエスを見出すとき、わたしたちはそろって父なる神の愛に包まれ、喜びと力の霊に満たされていくからです。わたしたちが互いの中にイエスを見出すほど深く愛し合うとき、この地上に三位一体の愛の交わり、すなわち天国そのものが実現していくのです。
 イエスの招きに応え、イエスを通って三位一体の愛の交わりへと入ってゆきましょう。そこに、わたしたちの救いがあります。
※写真の解説…布引ハープ園にて。