フォト・ライブラリー(230)冬の大原〜寂光院

冬の大原〜寂光院

寂光院の門をくぐり、石段を上がっている途中で急に雪が激しくなりました。視界を遮るほどの大雪で、辺りはたちまちのうちに雪化粧を施されていきました。まるで「写真を撮るなら今お化粧するから待っていて」と言われたような気分でした。尼寺なので、そんな連想をしたのかもしれません。

石段を登り切ったところにある門の屋根の下で、しばらく雪が小降りになるのを待っていました。尼さんが、あわてて縁側の雪を外に掃き出しはじめるほどの降り方でした。尼さんも、「今日は朝から雪がちらほら舞っていたけれど、急にこんなに降り始めるなんて」としきりに訝っておられました。

小さな境内に、雪がしんしんと降り積もります。健礼門院の時代にも、こうして大雪に降りこめられることがあったでしょうか。

あちこちに植えられた南天の赤が、白と黒の世界に彩りを添えます。実が凍ってしまわなければいいと思いますが。

比叡山の麓にひっそりと広がる大原の里、四季折々に美しさがありますが、雪の日の美しさもなかなかのものです。特に、日本庭園は雪化粧したときにその本来の美しさを現すのではないかとさえ思えました。いつ行っても心を癒される大原の里、今度は桜の頃に訪れてみたいと思います。