祈りの小箱(123)マザー・テレサ『人を愛したいなら』


マザー・テレサ『人を愛したいなら』
 マザー・テレサは、貧しい人々への奉仕の出発点として、神様の前でありのままの自分自身を受け入れることを大切にしていました。弱くて不完全な自分を、それでも神様から愛された大切な自分として受け入れた人だけが、弱くて不完全な相手を、それでも神様から愛された大切な存在として受け入れることができるからです。
 たとえば、自分の背が低いことをどうしても受け入れない人がいたとします。その人は、自分よりも背が低い人を見たときに、心から受け入れることができるでしょうか。自分自身について、「こんなことではダメだ」と思っている以上、相手についてもつい「かわいそうだが、この人もダメだ」と思ってしまうのではないでしょうか。学歴や能力、財産、社会的地位など、自分について何か受け入れられないことがあれば、わたしたちはその同じ基準を相手にも当てはめてしまいがちです。弱くて不完全な相手を受け入れたいと思うなら、まずは弱くて不完全な自分を受け入れる必要があるのです。
 では、どうしたら受け入れることができるのでしょう。そのためには、神様の愛を信じる以外にないと思います。マザー・テレサは次のように言っています。
「もし他の人々から受け入れられないときも、自分で自分を受け入れられないときでも、イエスはいつでもあなたたちを受け入れるのです。」
 周りの人たちから受け入れられないとき、わたしたちはつい「こんなわたしではだめだ」と思ってしまいがちです。ですが、そんなときでもイエスは「そんなあなたが大好きだ」と言ってくれているのです。そのことを忘れなければ、わたしたちはどんなときでも、自分を受け入れることができるでしょう。弱くて不完全なわたしは、それでもイエスから愛された限りなく大切なわたしなのです。
 そのように自分を受け入れられた人は、自分と同じ弱さや不完全さを抱えた相手を、ありのままに受け入れることができるようになるでしょう。その人も、イエスから愛された限りなく大切な存在だと信じることができるようになるでしょう。人を愛するために、まず自分を愛することから始めたいと思います。
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