祈りの小箱(42)福者コルカタのマザー・テレサ『愛し合うために』


福者コルカタマザー・テレサ『愛し合うために』
 自分だけが正しいと思い込んで周りの人たちを見下したり、相手を邪魔者のように冷たくあしらったりするのはとても簡単です。人間には生まれつき、自分がまるで完全であるかのように振る舞う傾向があるからです。「わたしは正しい、相手が間違っている」と、すぐに思い込んでしまうのです。ときには、相手が神様になることもあります。「わたしは正しい、神様が間違っている」ということです。キリスト教では、人間のそんな傾向のことを「原罪」と呼びます。人間が、生まれながらに心の中に持っている罪への傾きということです。
 自分だけが正しいと思って周りの人たちを裁き、互いに競い合い、傷つけ合ってしまうわたしたち。ですが、わたしたちはそんなことのために生まれてきたのでしょうか。お互いを苦しめあうために生まれてきたのでしょうか。マザー・テレサは、「わたしたちはもっと偉大なことのために生まれてきた」と言います。それは、互いに愛し合うことです。
 心を静かにして振り返ってみれば、人間は、誰もが不完全な存在です。わたしは、わたし自身のことさえよく知らないし、相手のこととなればもっと分かりません。そんな不完全なわたしたちに、相手を見下したり、裁いたりする資格などないのです。そのことを認められる人は、偉大な人です。なぜなら、自分の弱さを素直に認められる人は、世の中にそれほど多くないからです。
 どれほど強がっていても、ひとりぼっちで幸せになれる人はいません。互いに受け入れあい、支え合い、助け合うときにだけ、わたしたちは幸せになれるのです。人間は、愛し合うように造られているとさえ言っていいでしょう。自分中心の心を捨てて、相手のことを考えるとき、わたしたちは偉大なことをしています。なぜなら、その人は、生まれながらの傾向に打ち勝ったからです。罪への傾きに勝って、相手を幸せにすることができたからです。わたしたちは、互いに苦しめあうためではなく、互いを幸せにするために生まれてきた。愛し合うために生まれてきた、そのことを忘れないようにしたいと思います。
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