【熊本地震復興支援from宇部・小野田6】

熊本地震復興支援from宇部・小野田6

 1ヵ月ぶりの熊本。今回は益城町総合体育館で行われた、お坊さんや牧師さんたちによる移動式傾聴カフェ「カフェ・デ・モンク」に参加してきました。益城町総合体育館は、熊本YMCAが運営する避難所です。

 前回はグランメッセの駐車場での屋外カフェでしたが、今回は体育館のロビーの一角を利用しての屋内カフェでした。益城町総合体育館には一時期、1500人の方が避難生活をしていましたが、現在は館内で600人、駐車場での車中泊で200人が避難生活を続けておられます。近隣の自主避難の皆さんの分まで含めて、朝・昼・晩1000食の食事が提供されているとのことでした。震災から3ヶ月になる現在まで残っておられる方は、皆さん自宅が半壊ないし全壊し、戻ることができない方たちばかりです。

 今回も、宇部銘菓の一口饅頭「利休さん」がとても喜ばれました。来週には仮設住宅への引っ越しも始まるというタイミングでのカフェ。皆さん、将来への不安を口々に語っておられました。悩みはそれぞれに違いますが、畑や田んぼが地震で打撃を受け、収入源を絶たれた状況の中で、どうやって自宅を建て直すのか、ローンが組めるのか、土地を売るべきなのかなど深刻な課題が山積しています。仮設住宅にいられるのは3年。一番よい道が示されるよう祈らずにはいられません。

 「カフェ・デ・モンク」は九州臨床宗教師会の皆さんが中心になって運営する、移動式傾聴カフェ。週に2回開店するために、宗教者以外にもたくさんの方がボランティアでお手伝いをしています。

 熊本YMCAの職員の方が、施設内を案内してくださいました。1階のこのスペースで400人、さらに2階で200人、合わせて600人の方が避難生活をしておられます。間仕切りがある分、プライバシーが保たれた避難所です。ここでの生活が始まって、長い人ではもう3ヶ月。ストレスや疲れがピークに達しつつあるという声も多々聴かれました。

 天上の布は、YMCAの皆さんが手で縫って作ったもの。冷暖房や照明の効率が、この布でぐっとアップします。蒸し暑い日でしたが、館内は仮設の冷房も入れられ、適温に保たれているようでした。

 室内も見せてもらいました。床には段ボール箱を使用。カーテン1枚のしきりなので、音や臭いは筒抜けだという声も聴かれました。まずは、仮設住宅への入居が喫緊の課題。仮設住宅の数はまだまだ足りませんが、早ければ年内には移動が完了するのではないかとのことでした。あと数カ月の辛抱です。

 避難生活を続ける50人あまりの子どもたちのために、学習ルームが設けられています。学校へは、毎日バスで通っているとのことでした。1日も早く元の生活に戻ることができるよう、祈らずにいられません。

 テレビや新聞ではほとんど報道されなくなりましたが、熊本地震での避難生活が終わったわけではありません。ようやく、避難所から仮設住宅への移動が始まったという段階で、まだまだ前途多難です。自宅が倒壊するということがどれだけ大変なことか、皆さんのお話を聞く中でひしひしと感じるこどがてきました。これからも関心を持ち続け、出来る限りの支援を続けてゆきたいと思います。