【熊本復興支援from宇部・小野田9〜益城町でのクリスマス】

熊本復興支援from宇部・小野田9〜益城町でのクリスマス

 12月22日、この季節には珍しい豪雨の中、熊本県益城町にある木山仮設団地を訪ねました。広大な野原の一角に、220戸の仮設住宅が軒を連ねています。

 この日、わたしは神戸でのクリスマス講演会を終えたあと熊本に向かい、仮設住宅宇部・小野田ブロックから駆けつけた信徒8人と合流しました。最初の作業は、クリスマス・プレゼントの袋詰めです。熊本YMCAが管理・運営する木山仮設団地の220戸と木倉仮設団地の151戸にお住まいの皆さんにお配りします。

 スタッフやボランティアの皆さんにお配りする分も含めて400袋のプレゼントを準備しました。

 プレゼントの中身は、宇部銘菓の利休饅頭、宇部で獲れた蟹をたっぷり練り込んだ蟹せんべい、山口銘菓の外郎ホカロン、文房具、日めくりカレンダー、そして教会の皆さんが真心を込めて書いたクリマス・カードです。

 プレゼントを両手に出かけてゆく宇部・小野田ブロックの信徒たち。明るい笑顔も、クリスマスの贈り物です。

 この日は宇部・小野田ブロックからさらに7人が駆け付け、総勢16人が5つのグループに分かれてプレゼントを配って歩きました。

 一軒一軒、丁寧にご挨拶しながら回って歩きます。山口から来たとうと興味を持たれる方も多く、話が弾みました。電気も付いておらず、「誰いもいないのかな」と思いながらチャイムを押したら、中からご高齢の方が出てこられて驚くということもありました。一人暮らしなので、電気もほとんどつけずに暮らしているとのことでした。心が痛みます。

 仮設住宅の集会所で行われている「おしゃべりカフェ」にも参加させていただきました。「震災や仮設住宅なんて遠い世界のことと思っていた。まさか自分が震災で家を失い、仮設住宅で正月を迎えることになるとは思わなかった」と語っておられた方の言葉が心に響きました。明日には、わたしたちの街でも同じことが起こるかもしれません。

 わたしからは、マザー・テレサの言葉についてお話しさせていただきました。「苦しんでいる人がいれば、放っておけない」という一心で世界中を駆け巡ったマザーの愛が、熊本の皆さんの心にも届くようにと祈らずにいられません。

 午後からは、益城町の情報交流センター「ミナテラス」で講演させていただきました。わざわざ熊本市内から来てくださった方もおられ、大盛況でした。

 神戸から、音楽家のこいずみゆりさんも駆けつけてくださり、すばらしい歌声を披露してくださいました。

 少し離れた御船町のスポーツセンターでは、マザー・テレサ写真展も開催されました。このセンターも、熊本YMCAが管理・運営しておられます。

 およそ4万件の家屋が全半壊の被害を受けた熊本地震。4,303戸の仮設住宅と12,117戸のみなし仮設住宅(12月14日現在)で、数万人の皆さんがクリスマスとお正月を迎えることになりました。長年住み慣れた家や、住宅ローンで建てたばかりの家を失った皆さんの心の痛みは計り知れません。これからも、祈りつつ、できる限りの支援活動を続けてゆきたいと思います。