フォト・エッセイ(63) 六甲教会の紅葉③


 教会に近づくと、黄金色に染まった銀杏の木が青空を背景にして輝いているのが見えた。教会の庭の隅に植えられた大きな銀杏の木だ。毎年、たくさんの銀杏を落として教会の人々を喜ばせると聞いている。とてもきれいなのだが、残念なことに電線が近くに何本も走っている。電線が邪魔でうまく構図を決められなかったから昨日は撮影を見送ったのだが、今日あらためて見上げているうちにこの木だけを撮らないのはどうも不公平だし、神の愛に反することのような気がしてきた。
 銀杏の木は、意外と写真にしにくいものだ。神宮外苑のような銀杏並木となれば話は別なのだが、公園に数本生えている銀杏を、構図を決めてきれいに撮るのは意外と難しい。形と色が単調だからかもしれない。今日は鐘楼と組み合わせたり、青空を背景にしたりして撮ってみた。
 紅葉で色づく六甲山を背景にし、冬の日差しを浴びて白く輝く教会の建物もなかなか美しい。この教会の存在は、周りの景色に完全に溶け込んでいる。この教会があることで、周辺の景色は単に美しいだけでなく聖なる光を帯びているようにも見える。神様は、六甲教会を通してこの地に豊かな恵みを注いでおられるようだ。この教会で働けることへの感謝も、いつも忘れないようにしたい。




※写真の解説…六甲教会の庭の紅葉。