フォト・エッセイ(108) 摩耶山から逢山峡へ①


 昨日はいつものように青谷の修道院でミサを立てたあと、青谷道から摩耶山に登った。山頂で一休みしたあと穂高湖に下りてお弁当を食べ、さらにサウスロード、シュラインロードを経て逢山峡まで歩いた。このコースも、六甲山の豊かな自然を1日で満喫できるコースの一つだ。コースの最後には、唐櫃温泉が山歩きで疲れた登山者を待っていてくれる。来週、マシア神父様や六甲教会の若者たち10数人と一緒に山登りをすることになったので、昨日はその下見も兼ねていた。
 青谷道はとても登りやすい道だ。山の景色を楽しみながらどんどん登っているうちに、疲れたなと思う間もなく山頂に着いてしまう。途中の摩耶山天上寺跡には「摩耶の大杉」もあるし、山腹に大きく開けた昔の境内が今は日当たりのよい休憩場所になっている。境内にもいろいろな花が咲いていたが、道の途中、日当たりのよいところにはどこでも花が咲き乱れていた。ヤマブキ、ミツバツツジ、野生のフジなどの鮮やかな色が思いがけないところから目に飛び込んでくるたびに、その美しさに見とれて立ち止まらずにいられなかった。
 六甲山は本当に美しい山だ。神戸の人たちは子どもの頃から慣れていてそれほどと思っていないらしいが、新参者のわたしは登るたびに四季折々の美しさに息を呑む。神戸の人たちは、もっと六甲山に登るべきではないだろうか。もっとも、あまり人がいないからこそわたしはこの美しい自然を思う存分に味わえるのだが。昨日も、山頂や穂高湖の周りで何人かのハイカーとすれ違っただけで、他の道ではほとんど人を見かけなかった。ふだん教会でたくさんの人と会うので、お休みの日くらいはあまり人と会わず、ただ美しい自然を通して神様だけと語り合いたい。 







※1枚目、摩耶山頂から見た新緑の山肌。すぐ近くに神戸の街並みが見える。2枚目、緑に包まれた青谷川。3枚目、ヤマブキ。青谷川沿いにて。4枚目、シャガ。摩耶山天上寺跡にて。