フォト・エッセイ(144)中高生会キャンプ2009②


 2日目の朝、3時40分に起床して全員で山に登った。山頂にある神社から日の出を見ようという企画だ。
 前日わたしともう1人の男性リーダーで下見に行き、ほぼ1時間でその神社まで着けることがわかった。日の出の時間が今5時15分頃だから、逆算すると4時にキャンプ場を出なければいけない。やや早い時間だが、一生に一度くらい早起きして山登りするのもいい体験だろう。
 出発したとき、まだ山の中は漆黒の闇に包まれていた。大型の懐中電灯を照らしながら、山道をゆっくり進んでいった。子どもたちは慣れない山道、それも夜道で緊張しているようだったが、幸い誰も転んだり音をあげたりせずに頂上に着くことができた。予定通り、5時には山頂の神社の休憩所に到着した。
 どちらから日が出るのかよく分からず境内をうろうろしていると、子どもの1人が「うわー、すごい」と叫ぶ声が聞こえた。行ってみると、その場所からちょうど木々の間を縫って太陽が昇ってくるのが見えた。今まで見たこともないほど鮮やかなオレンジ色に輝く太陽だった。今まで不平を言っていた子どもたちも、その太陽の美しさを見てみな納得したようだった。わたし自身、早朝に山登りをして日の出を見たのは、シナイ山以来10数年ぶりのことだった。子どもたちにとって、きっといつまでも忘れられない夏の思い出の一つになることだろう。







※写真の解説…1枚目、2枚目、広峰神社から見た朝日。3枚目、広峰神社に至る山道。4枚目、砥堀川。