カルカッタ報告(2)8月24日カルカッタ到着


 カルカッタ行きのタイ航空313便は、機体の調整がうまくいかず30分以上遅れて12時半頃バンコクを飛び立った。いよいよカルカッタに向かう飛行だ。はやる思いを抑えきれない。
 途中、何回か気流の乱れたところを通過した。バンコク周辺は気流が不安定になることが多いらしい。昔も、このあたりを飛ぶたびごとにひやひやしたのを覚えている。しかし、これもカルカッタへの通過儀礼と思えばなんでもない。
 1時間あまり揺れながら飛んだあと、飛行機は下降態勢に入った。雲を抜けると、次第にカルカッタの街の明かりが見えてきた。思わず目頭が熱くなり、涙がいくつぶかこぼれた。ついにカルカッタに戻ってきたのだ。
 空港で法外なチップを要求するポーターに捕まって撃退するのに多少手間取ったが、彼が要求した3分の1の金額だけ払って通り過ぎた。このあたりは、昔と変わっていない。そんなことをしていたので、空港の外に出るまで30分ほどかかってしまった。空港の外では、日本から手配しておいた迎えの車が待っていてくれた。深夜の到着でもあるし、空港周辺に集まってくるタクシーは悪質なものが多いので、空港への送迎は日本から手配しておいたのだ。
 交通量が少ない深夜の道を快調に飛ばし、車は20分ほどでマザー・ハウスの前を通るA.J.C.ボースロードに出た。シアルダー駅を過ぎ、レーニン通りを横切り、聖テレサ教会の前を通り過ぎてしばらくいくと、右手に懐かしいマザー・ハウスの建物が見えてきた。これまで何回も見た夢と情景が重なり、一瞬夢を見ているのかとさえ思った。
 今回、わたしたち6人が泊まるサーキュラー・ホテルは、マザー・ハウスから100mほどの距離にある。ホテルに着いてチェックインを済ませると、もう2時半をまわっていた。
 明日はいよいよマザー・ハウスを尋ねることができる。今日はもう寝ることにしよう。







※写真の解説…1枚目、2枚目、マザー・ハウスの外観。3枚目、4枚目、A.J.C.ボースロードにて。