カルカッタ報告(75)8月29日ダヤ・ダンでのミサ①

8月29日(土)ニムタラ・ガート

 今日は、マザー・ハウスではなく、ダヤ・ダンで朝のミサを立てた。ダヤ・ダンの院長、Sr.カリーナから依頼を受けたからだ。ダヤ・ダンというのは1998年に設立された障害児たちのための施設で、今回わたしたちのメンバーも3人そこで働いている。15年前にはなかった施設なので、わたしにとってはこれが初めての訪問だった。
 5時40分頃、わたしはダヤ・ダンで働いている3人のメンバーたちと一緒にマザー・ハウスに向かった。マザー・ハウスの前には、予定通り迎えの車が来ていた。「神の愛の宣教者会」と書かれた小型のワゴン車だ。わたしたち乗せて出発した車は、まだ混雑していない早朝のA.J.C.ボース・ロードを軽快に走って行った。
 車はカルカッタの北東部に向かって進んだ。昨日訪れたタゴール・ハウスよりもう少し北の方まで来ているようだった。車が目的地に近付き、細い路地に入ったとき、わたしは思わずあっと声を上げた。この場所に来るのは初めてではなかったのだ。それどころか、わたしは現在ダヤダンと呼ばれているこの家に、かつて1ヶ月ほど住んでいたことがある。ここは、かつてM.C.ファーザーズの家だったニムタラ・ガートだ。まさか、この家に戻って来られるとは思わなかった。
 今から14年前、1995年の11月、わたしはこの家に見学者(イエスの言葉から"Come and See"と呼ばれていた)という立場で転がり込んだ。マザーに勧められた司祭への道を選ぶかどうか迷いに迷った挙句、わたしは1度神父さんたちと一緒に生活してみようと決心したのだった。実際に彼らの生活がどんな生活なのかを知らなければ、考えても無駄だろうという思いもあった。
※写真の解説…ダヤ・ダンの外観。