カルカッタ報告(77)8月29日ダヤ・ダンでのミサ③


 車が到着すると、中からシスターたちが出てきてわたしたちを案内してくれた。驚きと感動の中でわたしは祭服に着替え、ミサに向けて心の準備をした。祈っていると、心から神への感謝が自然に溢れだしてきた。このミサは、まさに感謝のミサだ。
 ミサにはシスター9人と、この施設に入所している子どもたち十数人が参加してくれた。カルカッタに来てから初めてする英語のミサで、ミサ典礼書が日本のものと少し違うのに戸惑ったが、なんとか最後まで無事にミサを終えることができた。洗礼者ヨハネの記念日だったので、説教では洗礼者ヨハネとイエスの関係から始めて、正義と愛について話をした。
 ミサの後、シスターたちがわたしとメンバー3人のために朝食を準備してくれた。目玉焼きつきの豪華な朝食だった。わたしたちが朝食を食べていると、院長のSr.カリーナが出てきてくれた。彼女とは面識がなかったが、彼女の方はわたしのことをSr.マーガレット・メリーから聞いているとのことだった。それでミサに呼んでくれたのかもしれない。
 わたしが昔ここに住んでいたことがあると話すと、Sr.カリーナもびっくりしていた。今回はM.C.ファーザーズのところに行ったのかと聞かれたので、わたしがまだだというと、Sr.カリーナは「それじゃあドライバーに、帰り道で寄るように言いましょう」と言ってくれた。Sr.カリーナによると今、M.C.ファーザーズの家にFr.ジュリアスがいるという。昔ここで一緒に暮らしていた神父さんだ。何か、すべてが神様の手の中にあって進んでいくように感じられた。
 食事の後、Sr.カリーナはわたしたちに家の中を見せてくれた。昔、わたしが泊っていた部屋で子どもたちが楽しそうに遊んでいるのを見て感慨深かった。この家は、確かにM.C.ファーザーズが使うには広過ぎたのだ。マザーはM.C.ファーザーズに大きな期待をかけていたので、大きな家でもすぐに一杯になるだろうと考えたのかもしれないが、今こうして子どもたちのためにフルに活用されている様子を見るとこれでよかったのだと思う。
 Sr.カリーナがさまざまな障害を負った子どもたちを紹介してくれたが、どの子もとても人懐っこくてかわいらしかった。うちのメンバーたちが分かち合いのときに「子どもがかわいくて仕方がない」と言っていたのを思い出し、確かにその通りだなと思った。
 施設を一通り見せてもらったあと、3人のメンバーたちはそのままダヤ・ダンに残り、わたしはマザー・ハウスに帰ることにした。9時からマザー・ハウスでミサを頼まれているので、それまでに着かないといけない。Sr.カリーナにお礼を言って、わたしは懐かしいニムタラ・ガートを後にした。
※写真の解説…人力車の荷台から。