カルカッタ報告(79)8月29日Fr.ジュリアス②


 驚いたことに、彼は6カ月前にカルカッタに戻ってきたばかりだという。1995年に叙階された後、彼はまずメキシコに送られたそうだ。そのあとローマで数年を過ごし、半年前まではインドの北東部にあるシロという街でM.C.ファーザーズの志願者たちの養成にあたっていたらしい。わたしは最初、彼がずっとここにいたのかと思っていたが、実はカルカッタに住むのは十数年ぶりだったのだ。
 わたしは、当時一緒に住んでいた4人のインド人志願者たちがどうなったか聞いてみた。残念ながら、彼らはみな途中でやめてしまったとのことだった。ただ1人、スウォープンという若者だけはその後、教区司祭になったという。他の3人もとてもいい連中だったが、道が違ったのだろう。
 「死を待つ人の家」でのボランティア仲間で、わたしが帰国した直後にM.C.ファーザーズに入ったリチャードは、叙階されて今ローマにいるそうだ。ずっと気になっていたので、これはうれしい知らせだった。当時アメリカの大学を卒業したばかりだったリチャードは、ハイディというかわいらしいガール・フレンドと2人でカルカッタに来て、1年あまりボランティアをしていた。2人とも、英語があまりできないわたしにとても親切にしてくれて、よく3人で一緒に食事に行ったものだ。ハイディにはかわいそうだが、リチャードが神父になったというのは本当によかったと思う。彼のように高潔で思いやりに溢れた人は、きっといい司祭になるだろう。
 もう1人、わたしの知り合いの息子さんがM.C.ファーザーズに入っているので、彼の消息も尋ねてみた。高塚さんという青年だ。Fr.ジュリアスは半年前までシロで彼と一緒に住んでいたそうだ。今年から、神学の勉強のためメキシコにいるという。もし彼が叙階されれば、日本人として初めてのM.C.ファーザーズの司祭になる。それどころか、ブラザーズにも日本人はいないから、日本人で初めての男性のM.C.会員ということになるだろう。Fr.ジュリアスの話ではとても順調に養成が進んでいるそうだから、これからが楽しみだ。 
※写真の解説…M.C.ファーザーズの家。