カルカッタ報告(104)8月30日最後の挨拶


 日本人ボランティアたちへの話しが終わった後、そのまま夕の祈りに出席した。昨日と同じように、最初に御聖体を聖櫃から出し、最後に御聖体で祝福するようシスターから頼まれた。祈りの時間の前半はロザリオだった。わたしはSr.ガートルードからもらったばかりのロザリオを取り出し、カルカッタで与えられたすべての恵みに感謝しながら一玉、一玉を繰っていった。祈りの一言一言が、わたしをイエス聖母マリア、そして「神の愛の宣教者会」と結び付けていくような気がした。
 ロザリオの後、沈黙の祈りの中でこの1週間に与えられた恵みを心から神に感謝した。この1週間で、14年間カルカッタに寄せてきたわたしの思いは十分な恵みによって報われたと思う。あまりにも充実し、全てがうまくいった1週間だった。最後に、「神の愛の宣教者会」への心からの感謝を込めながら、シスターたちに御聖体で祝福を与えた。
 祈りが終わって廊下に出ると、シスターたちが数人わたしを待っていた。総会長のSr.プレマもわざわざ出てきて最後の挨拶をしてくれた。特に、わたしが持っていったマザーの写真を喜んでいるようだった。そのお礼にと言って、たくさんのメダイや祈りのカードをくれた。わたしたちを快く送り出してくれた六甲教会のみんなのために、いいお土産になるだろう。Sr.クリスティーにも丁寧に礼を言い、またいつの日か再会することを約束した。
 シスターたちと別れた後、わたしは1階に下りてマザーの墓前に出た。マザーに最後の挨拶をするためだ。さっきシスターたちからもらったメダイやカードを墓の上に置いて祝福した後、わたしはまた両手を墓石の上にのせ、その冷たさを味わった。この感覚をしっかりと手に覚えさせるためだ。これから司祭として歩んでいく中でどんな辛いことがあったとしても、この感覚を思い出すことさえできればきっとなんとかやっていけるだろう。この感覚を通して、マザーの愛がわたしの心を満たし、力づけてくれるはずだ。
 マザーと別れて玄関の方に歩いていくと、玄関の前でデュアルテ神父がわたしを待っていた。やはり、最後に挨拶をしたかったらしい。デュアルテ神父は、「ここで会えて本当によかった」と言いながらわたしと握手を交わした後、彼の叙階式の記念のカードをくれた。わたしも全く同じ気持ちだった。わたしたちは、互いにそれぞれの国を訪問することがあったら絶対に連絡すると堅く約束してから別れた。
※写真の解説…A.J.C.ボースロードの道端にて。