やぎぃの日記(70)ルイス・カンガス神父①


 昨日、六甲教会にルイス・カンガス神父が来て、カンボジアでの活動について講演してくださった。カンガス神父は、わたしがイエズス会の中で最も尊敬している方だ。彼こそまさに司祭の中の司祭であり、最高の司牧者だとわたしは思っている。六甲教会に来られるということが決まって以来、ずっとこの日を楽しみにしていた。
 カンガス神父のことは改めて紹介するまでもないかもしれない。四谷の聖イグナチオ教会で32年間働き、そのうち16年は主任司祭を務められたことであまりにも有名だからだ。若いころにはテレビドラマにも出演しておられた。現在84歳という御高齢だが、まったく年齢を感じさせない。70代前半だと言われても、おそらく皆信じてしまうだろう。背筋はまっすぐに延び、声にも張りがあり、頭の回転も冴え渡っている。38歳のわたしよりも、むしろ元気なくらいだ。
 カンガス神父について書き始めると止まらなくなるのだが、わたしが「彼こそ司祭の中の司祭だ」と確信したのは去年の夏のことだ。以前から尊敬してはいたが、去年の夏、山口で8日間の黙想を個人指導していただいているあいだにその思いが頂点に達した。
 わたし1人のためにわざわざ何頁もの指導案を準備してくださり、毎日面接に1時間を割いてくださったことにまず心を打たれた。指導の仕方も、叙階されたばかりの若い司祭に対する思いやりと配慮にあふれていた。彼の話しを聞いているだけで、イエスの愛に触れているような感じさえしたものだ。さらに黙想の合間に彼の信徒の皆さんへの接し方やイエズス会共同体での生活の様子を見るにつけても、ますます尊敬の念が深まっていった。黙想が終わるころには、わたしの中に「彼こそ司祭の中の司祭、究極の模範、理想だ」という確信が生まれていた。
※写真の解説…説教するカンガス神父。カトリック六甲教会聖堂にて。