マザー・テレサの言葉を読む(15)すべてのことは祈りから


すべてのことは祈りから始まります。
 マザーは、何をするにしても全て祈りから始めていました。なぜなら、マザーは神の愛を人々に伝えるために生涯を捧げた「神の愛の宣教者」だったからです。
 神の愛を人々に伝えるためには、まず自分が神の愛で満たされている必要があります。自分が持っていないものを人に与えることはできないからです。神の愛を受け取るために神に向かって心を開き、神の愛を心に注いでいただく時間、それこそが祈りです。
「祈りの中で受け取れば受け取るほど、わたしたちは活動の中で多くのものを与えることができます」とマザーが言っていますが、豊かな祈りのときを過ごせば過ごすほど、わたしたちは日常生活の中で神の愛の運び手として大きな役割を果たすことができるのです。もし神の愛が心にないなら、何をしても何を言っても人々に神の愛を伝えることはできません。どれほど努力し訓練を積んだとしてもすべて無駄になってしまうのです。祈りという土台がなければ、「神の国」をこの地上に築き上げることは不可能なのです。このことから、祈りがわたしたちにとってどれほど大切かが分かるでしょう。
「人々は、その人が祈っている人かどうかをすぐに見分けます」ともマザーは言います。人々は、誰かの発言や行動が神の愛から出たものかどうか、その中に人間を越えた何ものかが宿っているかどうかを敏感に見分けてしまうというのです。これは、わたしのような司祭にとっては厳しい忠告の言葉です。日々の生活を祈りから始め、すべてを神に捧げることですべてを神からいただいて福音宣教に励みたいものだと思います。
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