マニラ日記(5)オリエンテーション・ウィークⅡ


アテネオ・デ・マニラ大学のキャンパスにて。
 一番遠くから参加しているのは、エクアドル人のカルロス・マンギン神父。第三修練の前は、大学でキャンパス・ミニストリーをしていたという。中国からの移民の子孫だそうだが、外見は完全なスペイン系のラテン・アメリカ人。ハンサムな外見と、落ち着いた人柄で共同体の雰囲気づくりに貢献している。わたしを早朝の水泳に誘ってくれたのが彼。
 次に遠くから参加しているのは、ベトナムアメリカ人のトラン・マン神父。14歳でアメリカに移住し、イエズス会カリフォルニア管区に入会した。彼も第三修練の前は大学でキャンパス・ミニストリーに従事していたという。
 インドネシアから参加し、パソコンやカメラに詳しいのはティト神父。入会前はエンジニアをしていたという。叙階後は、パプア島のインドネシア領で小教区の司牧に従事していた。人間味豊かな人で、だれとでもすぐ友達になる。
 もう一人のインドネシア人の参加者は、タイで働いているプスポ神父。ローマで7年間神学を勉強した後、タイへの宣教を志願し、第三修練まではチェンマイの黙想の家で黙想指導をしていたという。落ち着いた性格で、何かと頼りになる人物。
 スリランカから参加しているのは、アンドラディ・カマル神父。第三修練前は、「イエズス会難民サービス」のスリランカ地区責任者を務めていたという。スキンヘッドと、チャーミングなほほ笑みが特徴。
 韓国から参加しているのは、哲学者のリー・ジョンジン神父。ドイツで哲学の博士号を取得し、第三修練前はソウルのソガン大学で教えていたという。学者らしい繊細な風貌で、いつも部屋で本を読むか廊下でタバコを吸うかしている。しかし、韓国人らしくアルコールが大好きで、その点でわたしと気が合う。
 わたしは今回、最年少の参加者だ。叙階からの年次もわたしが一番短い。他の仲間たちは、短くても5年、長い人で15年を司祭として過ごしてきている。人格的に見ても、キャリアから見ても、霊的な深みから見てもわたしが一番未熟なのは明らかだ。優れた先輩たちから、この半年のあいだにできるかぎりのことを学び、吸収していきたいと思う。

 大学の主聖堂。ジェズ教会。

フィリピン名物の乗り物、ジプニー。ジープの荷台を改造して人を乗せられるようにしたもの。

アテネオ・デ・マニラ大学の近くを流れる川。