マニラ日記(7)イエズス会入会までの歩み


アテネオ・デ・マニラ大学のシンボル、ジェズ・チャペル。
9月19日(日) イエズス会入会までの歩み
 第三修練の第2週が終わった。今週は、10月末から始まる1ヶ月の大黙想の準備と互いの自己紹介を兼ねて、イエズス会に入るまでのそれぞれの歩みを分かち合った。修練長のロジャー神父から始めて、毎日2〜3人がそれぞれ1時間半ずつ話していった。
 話を聞きながら、これだけ異なった文化圏、言語圏からわたしたちをこの場所に集めてくださり、こうして互いを知り合う機会を与えてくださった神の偉大さを思わずにいられなかった。ある修練者は14歳でサイゴンの陥落を体験、ボートピープルとして国を脱出してアメリカに移住し、そこで神からの召し出しを受けた。ある修練者は親の希望で医師の資格を取得したが、むしろ人々の魂を救うことに自分の使命を感じてイエズス会に入会した。ある修練者はフィリピン有数の財閥の家庭に生まれ、音楽の英才教育を受けて育ったが、人々に和解をもたらす使命を感じてイエズス会に入会した。
 わたし自身は埼玉の農家に長男として生まれ、懸命に勉強して大学まで進んだもののインドでの体験を経てイエズス会に入会することになった。わたしの子ども時代を知っている人たちが、今のわたしを見たら一体どう思うだろうか。あの泥だらけの子どもが、英語を話しながらたくさんの外国人たちと一緒にマニラで勉強しているのだ。神様のなさることは本当に不思議だと思う。
 今週は、体調不良に悩まされた1週間でもあった。幸い熱は下がったが、まだ体にだるさが残っている。27日から始まるスラム街での実習に備えて、なにしろ健康の回復を第一に考えながら次の1週間を過ごしたいと思う。

ジェズ・チャペルの内部。

ミサの様子。司式しているのは第三修練者のフロージ神父。

ジェズ・チャペルを背後から見たところ。