マニラ日記(6)映画"The 13th Day"鑑賞


9月11日(土) 映画"The 13th Day"鑑賞
 マニョリンの招待で"The 13th Day"という映画を観てきた。20世紀初頭にポルトガルの寒村、ファティマで起こったとされる聖母マリアの御出現を描いたものだった。
 最初マニョリンから「ファティマのマリアの映画だよ」と聞いたとき、途中で眠くなると困るなという気持ちがあった。これまでに見てきたこの種の映画には、とてもすばらしい内容ではあっても長すぎたり単調だったりして途中で眠くなるようなものが多かったからだ。
 ところが映画が始まるやいなや、その予想はまったく間違っていたことが明らかになった。御出現の背景となった第一次世界大戦ロシア革命、ヨーロッパへの共産主義の浸透などが当時の映像を交えて紹介され、御出現がどのように始まったかが美しい映像とスリリングな音楽で描き出されると、わたしたちはたちまち20世紀初頭のヨーロッパへと引き込まれていった。
 ルシアをはじめとする牧童たちへの無理解な隣人たちからの迫害、「ファティマの秘密」を暴こうとする官憲の執拗な妨害など幾多の試練を超えて、ついにファティマでの御出現のクライマックスというべき「太陽のダンス」の場面が迫真のSFXによって描かれたとき、わたしたち観衆のほとんどは涙をこぼしていた。
 マリアの御出現という非常にデリケートな出来事を、これほどまでに見事に描き切った映画を観たことがない。「マリアの御出現、なにそれ?」という人も、ぜひ観てもらいたい映画だ。カトリック教会でなぜ御出現ということが大切にされるのかを知る一つのきっかけになるだろう。
アメリカのアマゾンからDVDを手に入れることができます。ただし、残念ながら日本語の字幕はついていません。⇒http://ow.ly/2DiJt