やぎぃの日記(136)大船渡から2


3月28日(水)大船渡から2

 第2日目は、大槌町にある被災地支援拠点、カトリック長崎教区大槌ベースを訪問することから始まった。諏訪司教様が視察に行かれるこの機会に、いまだ復興が大幅に遅れている大槌の様子を見てきてはどうかとベースの方が配慮してくださったのだ。六甲教会チームからわたしを含む6人が参加した。
 大槌の復興は確かに遅れている。大船渡ではもうほとんど見かけない、瓦礫や鉄骨がむき出しになって放置されている光景を大槌ではよく見かけた。わたしたちはそのすさまじい光景にまず圧倒された。一人の口から思わず、「まるで広島の原爆のあとのようだ」という言葉が漏れた。津波の襲来から1年以上が過ぎているとは思えない光景だった。
 かつてのビジネスビルを改装したベースを見学させていただいた後、仮設住宅に向った。たまたま近畿カトリック学校連盟のボランティアチームが訪れており、そこで被災者の方々と交流会をしていると聞いたからだ。車で10分ほど行ったところにある田圃の真ん中の仮設住宅で、わたしたちも交流会に合流させていただいた。
 印象深かったのは、六甲教会の一人が「わたしも阪神淡路大震災のとき仮設で生活していました」言ったことがきっかけで、被災者の御老人たちから一斉に「何か月いたんですか」、「次はどこに移ったんですか」、「住宅ローンは」といった実際的な質問が次々に飛び出したことだった。そこから互いの苦労話の分かち合いに話がはずんだ。最後に、大槌の御老人の一人が「生きる力をもらいました」と言ったのを聞いて、胸が熱くなった。
 午後は、大船渡ベースに戻ってフィリピン人グループの分かち合いに参加させていただいた。震災後の不況の中で生計を立てるため、懸命にがんばっている彼らの言葉がとても重く心に響いた。1人のお母さんとは、わたしがフィリピンにいたとき半年住んでいた場所の近くから来たということで話がはずんだ。
 明日もいくつかの場所で分かれて働くが、わたしはどういうわけかまた大槌に行くことになった。漁師さんたちの手伝いをしてほしいとのことで、一日仕事になる。どんな出会いが待っているのか、とても楽しみだ。
※写真の解説…1枚目、今日の大槌町。2枚目、大槌町仮設住宅にて。