フォト・ライブラリー(317)年の黙想in長束〜前半

年の黙想in長束〜前半

先日、「年の黙想」のため広島市にあるイエズス会長束修道院に8日間ほど滞在しました。ここにはかつて、数十年に渡ってイエズス会の修練院が置かれていた場所。たくさんの会員がここで修道生活の第一歩を踏み出しました。

寺院建築を模して造られた建物には、こんな塔までついています。かつては鐘楼として使われていたと聞きました。

聖堂の内部も純和風。畳敷きで、正面の両脇には掛軸が掛けられています。ただ、描かれているのは漢詩ではなく聖句。一つには「あなたは私についてきないさい」、もう一つには「わたしたちは神の私たちへの愛を知りそれを信じた。神は愛である」と記されています。原爆のときには、この聖堂にたくさんのけが人が運び込まれたとのこと。当時の修練長で医師の資格を持っていたアルペ神父様が、夜を徹して治療に当たったそうです。

こちらは新館にある洋風の聖堂。わたしは2000年にここで初誓願を立て、イエズス会員としての第一歩を踏み出しました。

軒先に植えられた「からし種」が黄色い花を咲かせていました。聖書の言葉の通り、わずか1㎜ほどの小さな種が大きく育って、2階の屋根に迫るほどの高さに。生命の神秘、創造の業の不思議を想わずにいられません。

細長い形が特徴的な「からし種」の花。鮮やかな黄色が青空に映えます。

修道院の裏手にある「聖心の丘」のイエス像。長束修道院のシンボルと言ってもいいでしょう。

雨上がりの朝の庭で、美しく色づいたモミジの葉が水滴をつけてきらきら輝いていました。

潤いを帯びたモミジの葉の赤、普段よりもやわらかくてみずみずしい色に見えます。

モミジの葉の細い茎にも、水滴がたまっていました。水滴の中に、向こう側の景色が丸く映っていました。

赤、オレンジ、黄色、茶色、緑、色とりどりに色づいた木の葉。神様の芸術作品ですね。

真っ赤に色づいた櫨の葉にも、水滴がたまっていました。雨に洗い清められ、雨粒で飾られて、雨上がりの朝の木々はいつにもまして魅力的です。