【写真で振り返る2012年】

写真で振り返る2012年

今年もあっと言う間に1年が過ぎてしまいました。ただの時間の流れとして通過させず、記憶として胸にしっかりとどめて感謝し続けるため、この1年を写真で振り返っておきたいと思います。まずは今年の元日、灘円山公園から見た初日の出です。

今年の冬はとても寒く、各地で大雪に見舞われました。2月、大原の民家の庭先で、うっすらと雪をかぶった山茶花です。

3月、京都の城南宮で見事なしだれ梅の林と出会いました。モノトーンの季節を打ち破る花の生命力に圧倒されました。

3月末、教会の若者たちと一緒に、復興支援ボランティアのため東北に向かいました。すべてを押し流された大槌町の廃墟に立ちつくし、祈りを捧げる高校生たちです。

4月、神戸の街のあちこちで桜が一斉に開花しました。ひときわ見事だったのは、王子公園グラウンドの桜でした。

県立公園「あわじ花さじき」では、100万本以上の菜の花が開花。黄色の洪水に呑み込まれてしまいそうでした。

5月、神戸で実に282年ぶりという金環日食が観測されました。金環になったのはほんのわずかな時間でしたが、あの荘厳な美しさは一生忘れることがないでしょう。次に神戸で見られるのは、2095年だそうです。

6月、アジサイに彩られた大原の里を散策。いつ行っても心を癒される美しい山里です。

7月、明洞大聖堂で行われるイエズス会の叙階式に出席するために訪韓しました。苦難に満ちた長い歴史に裏打ちされていると同時に、若さと力をみなぎらせた韓国の教会に圧倒されました。

7月末、琵琶湖のほとり、箱館山でこの世のものとは思えないほど美しい百合畑と出会いました。まさに地上の楽園です。

8月、長いあいだ準備を続けてきた「ふっこうのかけ橋」キャンプがついに実現。福島の子どもお母さんたちに、神戸の夏を存分に味わってもらうことができました。福島の子供たちのために、神戸地区1万人の信徒が心を一つに合わせられたのも、地区長としてとてもうれしいことでした。

9月、残暑を逃れて赤目四八滝の水辺を散策しました。サンショウウオも住む澄み切った渓流が、岩盤を抉り取るようにしてできた特殊な地形の中で、続けざまにたくさんの滝を作り出しています。

明日香村で、田んぼの畦道を真っ赤に染める彼岸花とも出会いました。初めて訪れたのに、何かとても懐かしい、そんな景色でした。

中秋の名月です。金環日食で天体の作り出す美しさに心を揺さぶられて以来、今年はどうも空を見上げることが多かったように思います。

10月の初めころ、連日のように美しい秋の雲を楽しむことができました。これは、明け方、教会のベランダから撮影した写真です。

10月半ば、15年前に修練期を過ごした広島の黙想の家を訪ね、住田神父の指導のもと8日間の霊操に取り組みました。清貧、貞潔、従順の誓願を喜んで選び直すことができた、とても恵み豊かな祈りのひと時でした。

11月、青年たちと一緒に山に登り、六甲山を越えて森林植物園まで歩きました。森林植物園では、まさに見ごろを迎えた紅葉がわたしたちを出迎えてくれました。六甲山系の今年の紅葉は、例年になく美しかったようです。

11月末、今年もフランス、テゼ共同体のブラザーを迎えて、超教派の祈りの集いを開催しました。今年のテーマは「子どもたちの未来のために」。先が見えない現代日本社会にあって、子どもたちの明るい未来のために祈らずにはいられません。

12月、太陽の位置が低くなり、ふだんは目立たないステンドグラスが床に美しい模様を描き出しました。

今年のクリスマスは、歌によって豊かに祝福されたクリスマスでした。もはや歌と祈りの間に区別をみつけられないというくらい澄み切った歌声が聖堂に響き、わたしたちの心を天国の喜びへと運んでくれました。

そして、いよいよ大晦日。リンゴのような形をした1年で最後の夕日が六甲山の向こう側に沈んでいきました。たくさんの光を与えてくれた太陽に、そして被造物のすべてを通してわたしたちの日々を祝福してくださった神に、心からの感謝を捧げずにはいられません。来年も、豊かな恵みに満たされたすばらしい1年でありますように。