祈りの小箱(13)マザー・テレサ『小さなことへの忠実』


マザー・テレサ『小さなことへの忠実』
 世の中には、ほとんど誰からも評価されることがなく、「小さなこと」と見なされてる仕事があります。例えば、主婦が日々、黙々とこなしている掃除や洗濯、炊事。あるいは、会社でのコピー取り、お茶くみ、書類整理などは、人々から脚光を浴びたり、称賛されたりすることが少ない仕事です。ですが、それらの仕事をする人がいなければ、家庭や会社がどのようなことになるかは目に見えているでしょう。それらの仕事は、なくてはならない仕事なのに、不当にも「小さなこと」と見なされているのです。
 そのような「小さなこと」を忠実に成し遂げられるのは、それらの「小さなこと」の大切さに気づき、家族や会社の仲間たちへの愛ゆえに自分を差し出すことができる人だけでしょう。愛ゆえに自分を犠牲にする、それ以上に偉大なことがあるでしょうか。マザーは、この言葉でそのことを指摘しています。
 世の中には「誰にでもできる仕事」という言い方もあります。ですが、「誰にでもできる仕事」と思われて人から評価されないを喜んで引き受け、忠実に成し遂げるのは誰にでもできることではありません。むしろ、たくさんの人から評価される華やかな仕事こそ、誰もがやりたがる「誰にでも出来る仕事」ではないかと思います。「小さなこと」に忠実であるのは、愛に忠実であること。愛に忠実であるのは、神の栄光をこの世界に輝かせること。そのことを忘れないようにしましょう。
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