フォト・ライブラリー(371)5月の六甲山〜トウェンティ・クロスから森林植物園へ

5月の六甲山〜トウェンティ・クロスから森林植物園へ

日に日に濃くなっていく木々の緑とさわやかな5月の風に誘われて、布引から六甲山に入りました。まず目に飛び込んできたのは、布引渓谷の入り口に生えた鮮やかな青もみじです。葉の影から、布引の滝の水しぶきがのぞいています。

布引の滝は、雌滝、鼓滝、夫婦滝、雄滝の4段からなる名瀑。平安文学にも登場するほど、昔から人々に愛されてきました。まず現れるのは雌滝です。

しばらく登っていくと勇壮な雄滝が姿を現します。激しい水流によって丸く、深くえぐり取られた滝つぼが特徴的です。

滝から更に山道を登り、布引貯水池を目指します。山のあいだに浮かんだゴンドラは、布引ハーブ園のロープウェーです。

ミツバツツジの時期は終わり、今度は、山道のあちこちでウツギの花が満開を迎えていました。アオスジアゲハが、一生懸命に蜜を吸っています。

先月登ったときは、まだ淡い緑色だった木々の新芽。今回はだいぶ色が濃くなっていました。間もなく、本格的な新緑の季節がやってきます。

滝から20分ほどで布引貯水池に到着。モミジの木々の間から、神秘的な青さを湛えた湖面がのぞきます。新幹線の駅から歩いて30分でこんな光景と出会えるのが、神戸のすごいところです。

貯水池の畔で、今年初めての糸トンボを見かけました。きらきらした大きな目で、一体何を見ているのでしょう。

市ケ原の茶店で、野鳥たちの声を聞きながら一服。ふと見上げると、見事な青もみじが目に飛び込んできました。秋の紅葉にも決してひけを取らない美しさです。

さわやかな尾根道に出ました。登り道で額に浮かんだ汗が、吹き抜ける涼やかな風で引いてゆきます。

山道で見かけた花。きっと菜の花の仲間でしょうね。

この辺りは、川渡のポイントがたくさんあることから、「トゥエンティクロス」と呼ばれています。とても美しい渓谷です。靴を脱いで流れに足を浸しましたが、冷たすぎて1分も足を入れていられませんでした。

さわやかな木々の緑の中を、森林植物園を目指して歩きます。多少の起伏はありますが、とても歩きやすい道です。

森林植物園の入り口で、ホオバの葉を見かけました。圧倒的なボリューム感です。

森林植物園では、シャクナゲが見ごろを迎えていました。歩き始めたときは疲れた重い足取りでしたが、不思議なことに、歩いているうちに体に力が戻ってきました。さわやかな新緑と5月の風に洗われて、心もすっきり軽やかに。六甲山を通して、神様の恵みをたっぷりいただいた山歩きでした。