祈りの小箱(78)『復活の命』


復活の命
 肉体の死は終わりではなく、新しい命、復活の命の始まりだとキリスト教では信じています。では、復活の命とはいったいどんなものなのでしょう。復活したら、どんないいことがあるのでしょうか。復活のときに確実に起こることの一つは、神様の大きな愛に包まれて、わたしたちの心の傷がすべて癒されるということです。
 地上で生きているあいだ、わたしたちは多かれ少なかれ心に傷を負い、それをかばいながら生きています。例えば、自分が田舎の出身であることを恥じ、田舎者だと馬鹿にされることが心の傷になっている人は、それをかばうために何とか自分を都会の人間に見せようとします。心に壁を作って、傷を守ろうとするのです。そんな人は、誰に対してもありのままの自分を差し出すことができません。心の傷ゆえに、誰との間にも、不完全な人間関係しか築くことができないのです。
 そのような人は、自分より田舎の出身の人には優越感を抱くかもしれませんし、都会の出身者には劣等感を抱くかもしれません。心に傷がある人は、すべての人を壁越しに見るので、相手をありのままに受け入れることもできないのです。心の傷ゆえに、すべての人間関係が不完全なものになってしまうのです。
 心の傷が癒されたとき、わたしたちは初めてありのままの自分を相手に差し出すことができるようになるし、相手をありのままに受け入れることもできるようになります。心の傷が癒されるとき、わたしたちの間に初めて完全な人間関係が結ばれるということです。わたしたちの愛も、地上では不完全なものですが、永遠の命に移されたとき完全なものに変えられるのです。神の国とは、すべての交わりが完成され、すべての人がありのままに自分を差出し、また相手をありのままに受け入れて愛し合う世界のことなのです。
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