祈りの小箱(102)『悪口さえ肥やしにして』


『悪口さえ肥やしにして』
 人から悪口を言われたとき、一つの対処法は「悪口など言わせておけ」と開き直って無視することです。まったく事実無根の悪口に対しては、一番いい対処法でしょう。ですが、簡単に無視する前に、ちょっと立ち止まって考えてみてはどうでしょう。その悪口は、本当に事実無根なのでしょうか。
 特にその悪口を聞いて腹が立って、腹が立ってしかたがないというような場合には要注意です。腹が立つのは、痛い所を突かれたからかもしれません。つまり、相手が言ったことは事実、それも自分では認めたくない、触れてほしくない事実だった可能性があるのです。もちろん相手は悪意から言っているわけですから、その事実がさらに醜く、何倍にも誇張されている可能性はあります。ですが、まったく事実無根とまでは言いきれないかもしれないのです。
 無視する前に、なぜこの悪口に腹が立つのだろうと、ちょっと振り返ってみてはどうでしょう。もしかすると、その悪口の中には十分の一、あるいは百分の一であっても、自分についての真理が含まれているかもしれません。そのような真理は、自分自身ではなかなか気づくことも、認めることもできないものです。謙遜に受け取れば、自分を成長させるためのまたとない教訓になるでしょう。むきになって怒らず、かといって頑なに無視することもなく、余裕をもって受け止めることができれば、悪口でさえ成長のための肥やしにすることができるのです。
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