『前に進みたいのなら』
片方の手で何かをぎゅっと掴みながら、前に進もうとしたらどうなるでしょう。どんなに前に進もうとしても、自分が掴んでいるものの周りをぐるぐる回ってしまうに違いありません。心の世界でも、それと同じことが起こります。もっと成長したい、前に進みたいと思っても、何かにしがみついている限り、考えはしがみついているものの周りをぐるぐる回るだけで、少しも前に進みません。
たとえば、A社に入社したけれども、本当は入りたかったB社への未練を断ち切れない場合。せっかくA社に入ったのだからA社でがんばろうと思っても、B社への未練を断ち切れない限り、心の中はいつも「どうしてB社に入れなかったんだろう」「B社になんとか移りたい」というようなことばかり考えてしまい、前に進むことはできないでしょう。結婚したいのだけれど元の交際相手への思いを手放せない場合や、神の御旨のままに清らかな生活を送りたいのだけれど世俗の快楽を手放すことができない場合など、さまざまな場合に同じことが言えます。どんなに考えても、誰かに打ち明けたり、相談したりしても、あまり進展は期待できません。何かにしがみついている限り、どんなに先に進もうと思っても、しがみついているものの周りをぐるぐる回るだけで、決して前に進むことができないのです。
前に進みたいのなら、方法は一つしかありません。しがみついているものから手を放すことです。神様が与えて下さった働きの場や、結婚の相手、生活の環境に感謝し、自分に与えられていないものへの執着を手放すのです。執着を手放して、神様から自分に与えられた使命を担い直すのです。そうすれば、わたしたちはそれぞれの目的地に向かってまっすぐに進んでゆくことができるに違いありません。神様から与えられた使命を受け入れ、しがみついているものから手を放す知恵と勇気を、神様に願いましょう。
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